研究課題/領域番号 |
05670630
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
島 広樹 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (40206157)
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研究分担者 |
太田 明廣 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (50194155)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1994年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1993年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 血管平滑筋 / カルシウム / 筋小胞体 / 抵抗血管 / 高血圧 |
研究概要 |
抵抗血管平滑筋小胞体(SR)は、細胞質へのカルシウム(Ca)供給だけでなく細胞質内Caの上昇に伴いCaの吸収を行う細胞内Caの緩衝器官として重要な役割を果たしている。SRのCa chaael openerであるライアノジン(Ry)およびSRのCa ATPase inhibitorであるタプシガ-ジン(Tg)を用いてSRのCa貯蔵能を減少させた状態で、幼若期、成熟期の高血圧自然発症ラット(SHR)の抵抗血管収縮におけるSRの細胞内Ca緩衝作用を検討することで、SRは高血圧の発症・維持にいかなる役割を果たしているかをみた。5週齢(幼若期)および10週齢(成熟期)のSHRおよびWistar Kyotoラット(WKY)の上腸問膜動脈分枝(直径200μm)の輪状潜流標本を用いて等尺性張力を測定した。まず10mMカフェイン(Caf)および40mMカリウム(K)反応を観察後、10μMRyまたは1μMTg投与後のこれらの反応の変化を比較した。(1)血圧は幼若期では2群間に差はなく、成熟期のSHRで著明に上昇していた。(2)CafおよびK収縮反応はSHRで幼若期に比し成熟期で増加した。K収縮は、幼若期では両群に差はなく、成熟期ではSHRはWKYに比し大であった。(3)K収縮後の弛緩速度は幼若期、成熟期に差はなかった。(4)RyまたはTgにより両群ともCaf反応は著明に減少した。(5)RyまたはTgによりK反応後の弛緩速度は遅延したがその程度はSHRでWKYに比し幼若期および成熟期とも大きく、またこの遅延の程度は幼若SHRに比べ成熟SHRで大であった。弛緩期におけるSHRのSR細胞内Ca緩衝作用は、幼若期・成熟期ともWKYに比べ有意に大であった。さらにSHRでは、幼若期に比し成熟期で、SRのCa貯蔵能細胞外からのCa流入、および弛緩期の細胞内Ca緩衝作用が増加していた。それゆえに、SHRのSRは、血圧の上昇とともに細胞外からのCa流入に伴う細胞内Ca上昇を強く緩衝することで高血圧の進展を抑制する重要な細胞内Ca緩衝器と考えられた。
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