研究課題/領域番号 |
05670635
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
中澤 博江 東海大学, 医学部・生理科学, 教授 (20110885)
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研究分担者 |
一守 康史 東海大学, 医学部・生理科学, 講師 (60184636)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1993年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | スーパーオキサイド / 一酸化窒素 / パーオキシナイトライト / キサンチンオキシターゼ / NADPHオキシターゼ / 培養心筋細胞 / キサンチンオキシダーゼ / NADPHオキシダーゼ |
研究概要 |
最終年度は心筋細胞の収縮性と細胞内Ca^<2+>へのONOO^-の影響を検討した。 0.2mM ONOO^-添加により、培養心筋細胞の自動拍動は、1〜2分で弛緩状態で停止した。同時に記録した細胞内Ca^<2+>は、拍動の停止時に収縮期レベルに達し、さらに緩やかな上昇を示した。通常、心筋細胞は細胞内Ca^<2+>が収縮期レベルまで上昇するとオシレーションや拘縮を起こす。しかし、この実験では、オシレーションや拘縮もみられなかった。この結果から、ONOO^-による障害として、細胞内Ca^<2+>の上昇に加えて収縮の異常も生じることが判明した。 細胞内Ca^<2+>の上昇には、細胞膜を介し細胞外からCa^<2+>が流入する場合と筋小胞体などからのCa^<2+>放出がある。両者の関与を無Ca^<2+>外液を用い検討した。無Ca^<2+>外液では、ONOO^-による細胞内Ca^<2+>の上昇が抑制され、細胞膜を介するCa^<2+>流入により、細胞内Ca^<2+>上昇が起こることがわかった。 さらに細胞膜を介するCa^<2+>流入のメカニズムとして細胞膜脂質によるものとCa^<2+>チャンネルやNa^+/Ca^<2+>交換系などのCa^<2+>輸送蛋白によるものを区別する目的で細胞膜の膜流動性および過酸化脂質量を(ONOO^-添加5分後)測定した。膜流動性は、0.32±0.02×10^<-8>cm^2/secから0.32±0.02×10^<-8>cm^2/secと変化を示さなかった。また、過酸化脂質量も0.17±0.03nmol/mg protein から0.15±0.02nmol/mg proteinと有意な変化を示さなかった。このことから、ONOO^-による細胞内Ca^<2+>の上昇には、細胞膜脂質より膜蛋白が関与すると考えられた。また細胞膜のCa^<2+>輸送蛋白についてはCa^<2+>チャンネルブロッカーであるVerapamilの影響により検討した。50μM Verapamilの前添加で、ONOO^-による細胞内Ca^<2+>の上昇は抑制された。以上よりONOO^-による細胞内Ca^<2+>上昇の機序は、Ca^<2+>チャンネルやNa^+/Ca^<2+>交換系などのCa^<2+>輸送蛋白を障害すると結論出来た。
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