研究概要 |
I)心肥大進展期・退縮期モデルラットの作成面からの成果 Goldblatt rat(2K-1C)から退縮期モデルを作成する場合、狭窄側腎の摘出時期に生後20週以降に行うと退縮効果(心室重量の減少)が大きい。それ以前に行っても、血圧の降下は認めるが、10%退縮に要する期間は長くなる。これは、未処置のラットが生後20週まで心臓が大きくなり、以降ほぼ一定となる事実と関連する。 II)左室ミオシンアイソザイムとアクチンの局在形式 肥大進展期のmyosin isozymeは、術後12週までの期間で、V3型が約10%から50%まで変遷し、退縮の術後8週では30%まで戻る。これに対し、アクチンの局在変化では、肥大進展開始時約5%のG-actinが20%まで増加して非筋細胞化傾向が認められ、この変化が術後8週とミオシンの変化より早期に認められる。さらに、同時に測定したDNaseI含量も肥大進展と共に増加し、DNaseI変化量に符合していた。 III)アクチン制御蛋白 アクチンフィラメントの架橋・切断を司るcofilin,gelsolin,profilinに関しては、各々抽出・精製を行い、抗体作成段階に移行している。以後、上記G/F actinの局在との関連が興味ある。 筋形成の過程で、その分布が変化すると云われているdesminに関しては、市販の抗体を使用して検討した結果、肥大進展過程の早期(2週)より増加していた。 IV)心筋培養細胞での肥大・退縮モデル 上記アクチン制御蛋白の抗体作成後、検討する。
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