研究課題/領域番号 |
05670659
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 国立精神・神経センター |
研究代表者 |
水口 雅 国立精神・神経センター, 神経研究所・疾病研究第2部, 室長 (20209753)
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研究分担者 |
山田 光則 新潟大学, 脳研究所・実験神経病理学部門, 助手 (30240039)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1993年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 二次メッセンジャー / イノシトール三リン酸 / サイクリックADPリボース / CD38 / カルシウムイオン / 免疫組織化学 / 中枢神経系 / イノシトールリン脂質 / 細胞内情報伝達 |
研究概要 |
〔イノシトールリン脂質系に関する研究〕ラット小脳の発達に伴うイノシトール三リン酸(IP3)キナーゼの分布の変動を免疫電顕により研究した。その結果、発達途上の小脳プルキンエ細胞の樹状突起近位部上にある平行線維との直接のシナプス結合のような、発生過程に一過性に生じる構造物に濃厚な分布を示すことが判明した。これにより、神経回路形成過程におけるIP3キナーゼの重要性が示唆された。また、生後2-5日のラットにエチルニトロソウレアを投与して実験的に小脳外顆粒層を破壊し、その後病的な発達を示す小脳におけるIP3キナーゼの分布を調べた。その結果、小脳白質に、正常では存在しないプルキンエ細胞の樹状突起が伸び、シナプス結合のない棘突起が形成され、同時に同部位に本来見られないはずのIP3キナーゼの存在が観察された。これにより、IP3キナーゼはシグナル伝達に加え、棘突起の維持など多様な機能を果たしていることが推測された。 〔サイクリックADPリボ-ズ系に関する研究〕最近、イノシトールリン酸系と同じく、細胞内Ca^<2+>の動員をきたすことにより生体機能の調節を行う二次メッセンジャーとして、サイクリックADPリボース(cADPR)が発見され、イノシトールリン酸系との相互関係の解明が急がれている。われわれはcADPRの合成、加水分解の両方の酵素活性を有するタンパクCD38抗原に着目して、そのアミノ酸配列にもとづいて合成ペプチド抗体を作製し、脳内における発現、局在を検討した。その結果、成人の脳から、免疫アフィニティー法によりCD38抗原を精製し、また免疫染色により脳内のCD38が主としてPurkinje細胞などの神経細胞に局在していることを明らかにし得た。またアルツハイマー病患者の脳では、神経細胞内に存在する病的構造物神経原線維変化にCD38が大量に沈着していることを証明し得た。
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