研究課題/領域番号 |
05670666
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 島根医科大学 |
研究代表者 |
山口 清次 島根医科大学, 医学部, 教授 (60144044)
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研究分担者 |
折居 忠夫 岐阜大学, 医学部, 教授 (20045339)
深尾 敏幸 岐阜大学, 医学部, 助手 (70260578)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1993年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 有機酸代謝異常症 / β-ケトチオラーゼ欠損症 / 遺伝子解析 / 保因者診断 / 出生前診断 / Carrier Detection |
研究概要 |
β-ケトチオラーゼ欠損症は、間欠的に起こるケトーシス発作を主徴とする常染色体性劣性遺伝形式をとる先天代謝異常症である.チオラーゼは哺乳類において5種類の異なる酵素が知られているが、我々は1988年に、本症の欠損酵素がミトコンドリア短鎖型チオラーゼ(MAAT)の欠損に基づいていることをタンパクレベルで始めて明らかにした.以後、1990年にヒトMAATのcDNAクローニング、1991年に遺伝子クローニングを初めて行い、同年本症における遺伝子変異を世界で初めて同定し、世界中の本症患者の分子生物学的解析を進めてきた. 本研究では、本症の臨床所見と遺伝子異常の関連性、遺伝子異常とタンパク発現の関連性および本症の鑑別診断、遺伝子診断の臨床応用に向けた研究をを中心に行った.本研究の主な成果を以下に要約する. 1)これまで我々が酵素診断してしきた17例をふくむ世界で知られている30症例について臨床像を調査した.この結果、本症は臨床的に異質性が高い反面、早期診断できれば後遺症が予防できると結論した. 2)本症は臨床的にも、分子レベルでも極めてヘテロジーナスであるが、phenotype/genotype明らかな関連性は認められなかった 3)本性の遺伝子解析を通じて、分子生物学的に興味深い遺伝子異常が観察された.例:エキソン/イントロン境界部の点変異、欠失、挿入によるエキソンスキップの発生.エキソン内の点変異(ナンセンス変異)によって同時にエキソンスキップも引き起こされていたケースなど. 4)PCRを応用した遺伝子解析による出生前診断を初めて行った. 5)イムノブロットによる本症の保因者診断法を開発した. 6)ケトン体代謝異常症の病因をさらに明らかにするため、β-ケトチオラーゼ欠損症の類縁疾患である細胞質型チオラーゼ欠損症の欠損酵素の抗体作成ならびにcDNAクローニングを行った.
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