研究課題/領域番号 |
05670676
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
大関 武彦 鳥取大学, 医学部, 助教授 (20152126)
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研究分担者 |
花木 啓一 鳥取大学, 医学部・附属病院, 講師 (20238041)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1994年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1993年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | バゾプレシン / バゾプレシンV2受容体 / cyclic AMP / DDAVP / 尿浸透圧 / 尿崩症 / 腎性尿崩症 / アクアポリン2 / 血液凝固因子 |
研究概要 |
先天性腎性尿崩症例につき、腎尿細管のV2受容体系の障害部位の検討および遺伝子解析を行った。症例1,2の伝達様式は常染色体優性と考えられた。また後述するcAMPの反応性の検討からも、腎性尿崩症の中で過半を占める1型ではなく2型と考えられた。対照として4例の先天性腎性尿崩症1型の症例についても、病変部位の確認を行った。尿中cyclic AMP濃度は、ラジオイムノアッセイにて、血液凝固第8因子は発色性APTT法にて、von Willebrand因子活性は固定血小板凝集法にて測定した。DNAの抽出はJeanpierre(1987)により報告された方法を改変しておこなった。HindIII,BamHIにて消化したDNAに対し、Lolaitらの方法も参考にしつつ、Southern blot法にて検討を加えた。32-Pで標識されたヒトV2受容体cDNAの428bp fragmentをprobeとした。PCRにおけるプライマーはV2受容体の4-6domainをコードする332bp fragmentに対するものである。 症例1においては、DDAVP投与後に尿中cAMP濃度は609%であり、症例2では前値の1984%まで増加し、120分後には96%ほぼ前値に類似した値にまで再度低下した。これらの結果はこの2症例において、protein kinase Aやwater channelの異常が存在している可能性を考えさせる結果であった。対照の4例においてはこれと異なり、78%-126%と有意の上昇を示さず、遺伝形式も伴性劣性であり、DDAVP投与に対する凝固因子の増加反応が不十分な例もあった。症例1、2について遺伝子解析を試みたが、既知のV2受容体遺伝子の異常は存在しないことが確認された。このことから本症2型においてはV2受容体系の後半部に障害部位があることが示唆された。それが最近クローニングされたaquaporin-2ないしそれ以外の異常であるかの研究は、腎性尿崩症の病因解明のみならず、aquaporin-2を含む腎集合管の水濃縮機構をより明らかにするためにも、重要な意義のあるものと考えられる。
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