研究課題/領域番号 |
05670686
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
佐々木 秀樹 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (50106316)
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研究分担者 |
松山 秀介 横浜市立大学, 医学部, 教授 (20045983)
船曳 哲典 横浜市立大学, 医学部, 助手 (20264616)
生田 孝一郎 横浜市立大学, 医学部, 講師 (80159590)
甲斐 純夫 横浜市立大学, 医学部, 助手 (10233644)
井上 達 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (50100110)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1994年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1993年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | megakaryocyte / cell line / stem cell / thrombopoietin / TGF / 巨核球 / 細胞株 / 無蛋白培養 / サイトカイン |
研究概要 |
巨核球系前駆細胞に対するThrombopoietin (Tpo)による増殖刺激と、TGFβによる増殖抑制作用の解析 細胞の増殖は、刺激機構と抑制機構との協調作用により調節されていることが、最近の細胞周期調節についての分子機構の研究で明らかになってきた。本研究では巨核球系前駆細胞に対するTpoの作用について他のサイトカインとの共同作用を中心に検討したが、rmTpoは単独添加で巨核球コロニーを形成た。その他のサイトカインで単独添加によりコロニーを形成したのはIL-3のみであったが、Tpoの存在下でGM-CSFとEpoは有意にコロニー数を増加させた。至適濃度のIL-3の存在下でもTpoにより、また至適濃度のTpoの存在下でIL-3により、コロニーは有意に増加した。同様に傾向はTpoとEpo,TpoとGM-CSFの間でも見られた。Tpoの存在下でEpoまたはGM-CSFにより、コロニーサイズの増大傾向は見られたが、細胞数20個以上の大型コロニーと巨核球以外の細胞との混合型は、IL-3添加時にのみ認められた。このことはTpoもIL-3も共に単独添加で巨核球の増殖を刺激するが、その標的細胞は一部異なっており、IL-3の方が巨核球系幹細胞のより未分化な分画に作用することを示唆している。EpoとGM-CSFのTpoとの間の協調作用の機構については不明であるが、巨核球にはEpo受容体も存在すること、またTpo受容体とEpo受容体が構造的に類似していることが関係しているのかもしれない。 我々はまた、TGF βが血小板造血に果たしている役割に注目して今回の検討を行ったが、至適濃度のTGF β(10ng/ml)の添加で、CFU-GMは有意には抑制されず、またBFU-Eも時に軽度の抑制が見られる程度なのに対し、CFU-Mkは著明な減少を認めた。このことは造血前駆細胞のうち特に巨核球に対してTGF βが抑制因子として作用することを示しており、TGF βが特に血液細胞の中では血小板に発現していることを考慮すると、オートクラインの負の増殖調節因子としてTGF βが機能しているのかもしれない。 L8057細胞のrmTpoに対する反応性の検討 無血清のメチルセルロース培養法を用いて、rmTpoのL8057細胞コロニー形成に与える影響を検討したところ、コロニー数は濃度依存性に増加した。 L8057とL8057Y5細胞におけるTpo受容体(Mpl) mRNAの発現 RT-PCR法を用いて検討したところ、L8057細胞にはMplは構成的に発現しており、これらの増殖シグナルが固有の伝達系を介している可能性が強く示唆された。
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