研究課題/領域番号 |
05670688
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
柴田 利満 横浜市立大学, 医学部, 講師 (80106319)
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研究分担者 |
佐川 浩一 横浜市立大学, 医学部, 助手 (20244428)
関 和男 横浜市立大学, 医学部, 助手 (50236072)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1993年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 動脈管 / スペクトル解析 / ウサギ / 胎児 / 周波数応答法 / スティッフネス |
研究概要 |
平均体重50gの胎生28日のウサギ(満期30日)の動脈管(外径1.2mm、長さ1.2mm)を摘出して、98%酸素で平衡化した溶液または低酸素高カリウム溶液(K=65mEq)にて収縮状態を作成し、ウサギ胎児動脈管を動脈管の収縮モデルとして使用することに成功した。高カリウム溶液による収縮動脈管に対し、ステップ状長さ変化を与えて張力過度応答を見るステップ応答法と、サイン状の長さ変化(0.005-20Hz)を与えて張力応答を測定しスティッフネスと位相差を計測する周波数応答法による結果を得た。その結果は、我々が以前報告した心筋の硬直筋(rigor)の所見と同様に、クロスブリッジの動きのない収縮をしていることが推測された。98%酸素による収縮は高K収縮とは異なり、15〜40分周期を中心とした不規則な収縮弛緩を繰り返す。酸素による収縮下では20μのステップ状長さ変化によりサイン状の張力振動が誘発された。この張力振動を1分毎に5〜12時間経時的に計測して最大エントロピー法によるスペクトル解析をおこなった。最大パワーを呈する周波数は8.78×10^<-4>±1.55×10^<-4>Hz(n=6)であり、この逆数の周期は19.7±4.2分であった。灌流液の温度を35度から27度に低下させて温度依存性を検討したが、主周期は温度低下とともに減少し、Q10値は約3で、この振動がエネルギーの関与した減少であることが示唆された。血管内皮を破壊しても、NO合成酵素阻害薬(NMMA)存在下でも張力振動は存在し、血管内皮分泌のNOの関与は否定された。平滑筋細胞内のカルシウムの増減によるゆらぎの可能性は否定されてないが、アクチンとミオシンという収縮系のみの反応による収縮振動の可能性が高い。血管平滑筋の収縮は、クロスブリッジが動かないlatched state(Murphyら)ではなく、緩やかな収縮弛緩を繰り返す収縮と思われる。また、高K溶液では張力振動が存在しないことより、高酸素による収縮とは異なる収縮状態であることが推測された。
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