研究課題/領域番号 |
05670693
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
岡野 善行 大阪市立大学, 医学部, 助手 (60231213)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1994年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1993年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | フェニルケトン尿症 / フェニルアラニン水酸化酵素 / 分子遺伝学 / 遺伝子変異 / 遺伝子発現 / 先天性代謝異常症 / フュニルアラニン水酸化酵素 / 遺伝子解析 |
研究概要 |
フェニルケトン尿症(PKU)はフェニルアラニン水酸化酵素(PAH)の異常によって生じる常染色体性劣性遺伝疾患である。PKUの分子遺伝学研究により、各人種で遺伝子変異は異なり、各人種の中でもその遺伝子変異は非常に多様性に富むことが明らかにされ、日本人種をはじめとする黄色人種も、独自にその遺伝子変異を同定する必要がある。日本人と韓国人PKU患者について、遺伝子変異のを確定するとともにその診断システムを確立し、臨床型と遺伝型との関連、細胞内のPKU遺伝子発現系の解析を明かにすることを本研究の目的とした。 黄色人種で10種類の遺伝子変異を発見し、日本人で約65%、韓国人で約50%のPKU遺伝子の変異部位を確定した。東アジアにおけるPKU遺伝子の広がりから、異常遺伝子の起源と伝播を明らかにした。臨床症状と遺伝型との関連では、R408QとR241Cの両変異はそのin vitroのPAH活性が高く、PKUの軽症型と関連していることを明らかにした。通常のゲノムDNAより遺伝子解析を行う方法に加えて、本来は発現していない患者白血球からPAHcDNAをPCR法にて増幅合成することに成功した。その結果、R241とR408Q変異のミスセンス変異と、これまでのゲノムDNAの解析では同定され得なかったY356Xのスプライシング変異とEXON4&5の欠失変異を発見した。DNA多型解析のなかではRFLPハプロタイプは黄色人種で有用でなく、Short Tandem RepeatのDNA多型は、70%の家系にHeterozygosityが認められ、遺伝子診断が可能であった。次に、ゲノムDNAを用いて迅速かつ確実に未知の遺伝子変異の同定を行うために、13あるエクソンごとに遺伝子変異の有無をDenaturing Gradient Gel Electrophresis法にてスクリーニングし、その後、ダイレクトシークエンスを行い、遺伝子変異の同定を行うシステムを確立し、現在解析中である。しかしながら、PKUの病態を完全に解明するにはいまだ十分ではなく、より一層の研究が必要である。
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