研究課題/領域番号 |
05670701
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
所 敏治 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (40112841)
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研究分担者 |
井田 博幸 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (90167255)
大橋 十也 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (60160595)
衛藤 義勝 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (50056909)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1993年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | ヒトニーマンピック病タイプC / 胎児遺伝子治療 / レトロウイルスベクター / コレステロールのエステル化障害 / レトロウィルスベクター / Lacz遺伝子 / 胎児肝臓 / アデノウィルスベクター / 脳血液関門 / Ca代謝 / コレステロールエステル |
研究概要 |
本研究では(A)人ニーマンピック病タイプC(NPC)の病因解明と(B)NPC原因遺伝子クローニングの為の基礎実験及び(C)ラット胎児遺伝子治療の試みを行った。 (A)人NPCの病因は依然不明であるが、NPCで外因性コレステロールのエステル化のプロセスに障害が存在し、コレステロールが細胞内に蓄積することが見いだされた。また正常細胞で細胞内カルシウム濃度を変化させると、細胞内にコレステロールが蓄積する事も報告されている。以上より我々は人NPCの病因解明の為、細胞内カルシウム代謝を検討した。 (1)細胞内へのLDLの取り込みに際し、培養正常細胞で細胞内カルシウム濃度が約2倍に上昇する対し、NPC細胞では50%に抑制されていた。(2)カルシウムチャンネルアゴニスト投与により、培養NPC細胞内カルシウム濃度が有意に上昇し、コレステロールのエステル化障害も同時に改善されることが見いだされた。以上細胞内カルシウム代謝異常がNPCに存在し、本症の病態生理に大きく関与していることが明らかになった。 (B)人NPC細胞のcell lineの樹立と選択培地の作成を、人NPC原因遺伝子のクローニングを行う為の基礎研究として行った。(1)人NPC線維芽細胞を用いSV40にて、transformしcell lineを作成した。(2)上記cell line化した細胞培養液中にHMG-CoA reductase inhibitor(Lovasutatin,Simvastatin)を投与すると、NPCクローン化細胞の感受性が亢進し、日令5-7で濃度依存性に細胞が死滅する事を見いだし、同inhibitorが人NPC病因遺伝子クローニングのスクリーニングに有用な手段になることを見いだした。 (C)人アリルサルファターゼA(ASA)遺伝子挿入レトロウイルスベクターの開発とラット胎児遺伝子治療の試み。(1)人ASAcDNAをMFGベクターに挿入し、Iate infantile type MLD線維芽細胞にtransform。ASA活性の著しい上昇を認めることができた。(2)amphotropic ASAベクターを日令15,16,17のラット胎児の羊膜静脈及び羊水中に注入。生後1日で脳、肝臓、腎臓等各臓器をホルマリン固定後、人ASA抗体を用い免疫組織染色を行いASA蛋白の発現を検討したが、現時点では有意な発現を認めることができなかった。しかしながら本ベクターは培養系で有意に発現しており、今後さらに種々の改良を加え検討する予定である。
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