研究課題/領域番号 |
05670709
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
北川 真 大阪医科大学, 医学部, 講師 (70175298)
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研究分担者 |
美濃 真 大阪医科大学, 医学部, 教授 (70090206)
川村 尚久 (河村 尚久) 大阪医科大学, 医学部, 助手 (50247863)
荻原 享 大阪医科大学, 医学部, 助手 (00211128)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1993年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 小児膠原病 / 血管炎 / フリーラジカル / α-tocopherol / サイトカイン / リンパ球幼若化反応 |
研究概要 |
対象は小児膠原病、血管炎症候群の患児として年齢1〜18才の、全身性エリテマトーデス5例、若年性関節リウマチ5例、アレルギー性紫斑病12例、川崎病6例、スティーブンスジョンソン症候群2例、その他3例、計33例において、検討を行い、以下の結果を得た。感染症やその他の炎症所見を呈する疾患群を除いた小児をコントロールとして用いた。 (1)上記の疾患群において、コントロール群に比し、血清soluble-IL2が高値を呈し、リンパ球の活性化が生体内でおっこっている事が示唆された。これらの疾患では活性化されたリンパ球やマクロファージより血管炎の起こっている局所において、IL-1やTNF-βのサイトカインが過剰に放出される事が予想され、これらのサイトカインは、種々の血管炎の病態において重要なメディエーターとして働き、生体内の活性酸素やフリーラジカルを過剰に誘導することが予想される。 (2)このように全身の血管炎により生体内で過剰のフリーラジカルが産生された場合、その抗酸化能に及ぼす影響を検討するため、血清、赤血球、リンパ球のα-tocopherolを測定した。その結果、血清、赤血球α-tocopherol値はこれらの疾患では変動しなかったが、リンパ球α-tocopherol値は有意に低下していた。これは免疫担当細胞は血管炎などを起こしている生体内局所で、その免疫機能を発揮するがその際、過剰に産生された活性酸素やフリーラジカルにより、その抗酸化能の低下を招き免疫機能に影響を及ぼすことが予想される。 (3)上記のようなうな病態下において免疫機能検査がどのように変化するかを検討するため、リンパ球幼若化反応をこれらの疾患児で測定したが、特に正常児と比較し有意な差はみられなかった。これは症例数が不十分な事もあるが、生体での局所の免疫反応の影響が末梢血全体のリンパ球には反映されにくい事も考えられる。T細胞、B細胞百分率、CD4、CD8T細胞数、CD4/CD8細胞比においても両者には有意な差はみられなかった。 今後は、症例数の増加によりさらに詳細な検討をおこなうとともに、SODなどの他の抗酸化物質の測定や、in vitroの実験により検討を加えたいと考える。
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