研究課題/領域番号 |
05670712
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
吉田 一郎 久留米大学, 医学部, 助教授 (20182751)
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研究分担者 |
猪口 隆洋 久留米大学, 医学部, 講師 (00191891)
森田 潤 久留米大学, 医学部, 講師 (10220063)
荒牧 修一 久留米大学, 医学部, 講師 (30211014)
石松 順嗣 久留米大学, 医学部, 講師 (70102093)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1993年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 安定同位体希釈法 / メチルマロン酸血症 / プロピオン酸血症 / 妊婦尿 / 胎児治療 / 必要羊水量の縮小化 / 胎児有機酸代謝研究 / メチルクエン酸 / メチルマロン酸 / 妊婦尿による出生前診断 / 羊水による出生前診断 |
研究概要 |
先天性有機酸血症のなかで、我が国でも比較的頻度が高いと考えられているメチルマロン酸血症およびプロピオン酸血症についての出生前診断の確立を完成した。メチルマロン酸血症の出生前診断では、羊水中のメチルマロン酸およびメチルクエン酸、プロピオン酸血症では、メチルクエン酸の測定法および正常値の確立を検討した。これらの目的のために安定同位体でラベルしたメチルマロン酸やメチルクエン酸を用いて安定同位体希釈法によりこれらのマーカーとなる代謝産物を測定、定量した。又、羊水による出生前診断の時期を過ぎた妊婦に対しては妊娠後期の妊娠尿を採取し、羊水の場合と同じく、尿中のマーカーとなる代謝産物の測定、定量を施行した。以上の研究の結果をもとに日本国内より出生前診断の依頼があったメチルマロン酸血症およびプロピオン酸血症のリスク胎児16名につき羊水および妊婦尿の分析を施行し、的中率100%の好成績を得た。本法は遺伝子診断などと異なりリスク胎児に遺伝子異常などが推定不能な場合にも応用可能であり、又、母体細胞の混入などの影響も無視できることから、現時点では最も安定、かつ信頼できる出生前診断法と言える。平成5年度および平成6年度の二年間の研究により我が国においても欧米と同レベルの両疾患の出生前診断法が確立されたことの意義は大きい。我々はさらに今回確立した出生前診断法を単なる出生前診断のためだけでなく、出生前治療にも応用できる可能性を検討し、実際にビタミンB_<12>反応性メチルマロン酸血症胎児に応用し、貴重な成果を得た。さらに必要羊水量を縮小化して、本法による出生前診断が現行の在胎15〜18週よりも、より早期に施行できる可能性を検討した。安定同位体希釈法による出生前診断法は上記二疾患以外にも十分応用可能であり、今後実際のニーズがあれば検討する予定である。
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