研究課題/領域番号 |
05670740
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
小野 一郎 福島県立医科大学, 医学部, 助教授 (20125298)
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研究分担者 |
佐藤 守弘 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (60235405)
岩月 啓氏 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (80126797)
金子 史男 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (50001920)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1993年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 皮膚 / 薄層真皮 / 器官培養 / 培養表皮 / cytokine / 滲出液 / 創傷治癒 / 成長因子 / 薄層表皮 / 剥離器 |
研究概要 |
動物の背部あるいは熱傷患者の背部または腰部から手術の際に分層植皮片を採取して表皮を除去した後、真皮全層を採取して得た真皮層を薄層化して厚さ100-300μで剥離して一枚の真皮から20-30枚の薄層真皮を作成することを目標とする薄層真皮の作成技術を確立するために機器の開発ならびに改良を行った。また、この操作と平行して手術の際に採取した薄めの分層植皮片からkeratinocyteを分離し、培養表皮層を作成する技術を確立した。このようにして作成した培養表皮層をあらかじめ薄層真皮を移植した部とdebridementした潰瘍面とに直接移植し、生着後の経過を検討するとともに病理組織学的に検討する検討を行った。その結果、真皮剥離機の開発はすでにプロトタイプによる検討が終了し、ほぼ完成された機器が入手できる状況となっている。また、分層植皮片からkeratinocyteを分離し、培養表皮層を作成する技術については完全に確立されており、このようにして作成した培養表皮層の臨床応用も可能となっている。また、われわれはすでに臨床例で剥離して薄層化した真皮を臨床的に移植しており極めてめざましい成果をあげ、すでに各学会で報告している。それに加え、本研究では薄層真皮を器官培養してin vitroで表皮化させる試みを行い、Epidermal growth factor(EGF)の添加により、1週間で真皮内の毛嚢などの表皮成分から表皮化させることが可能である事を明らかとすることができた。また、薄層真皮を器官培養してin vitroで表皮化させる試みも行い、各種のcytokineの添加による影響についても詳細な研究を施行した。なお、本研究と平行して生体の分泌する滲出液に含まれるcytokineや成長因子の定量を行い、前述したin vitroの実験の根拠とするとともに生体における創傷治癒のprocessにおけるそれらの物質の役割を明らかにする重要な基礎dataを提示することができた。このように本研究の結果、薄層化した真皮移植の臨床的意義を明らかとし、生体で進行している創傷治癒の機序をin vitroで再現することが可能となると共にそれに関わる物質を役割を明らかとする当初の目的を達成できた。
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