研究課題/領域番号 |
05670754
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
日高 敏博 久留米大学, 医学部, 助教授 (10113234)
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研究分担者 |
猪口 隆洋 久留米大学, 医学部, 講師 (00191891)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1994年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1993年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 13ヒドロキシルリノール酸 / 13ヒドロキシリノール酸 |
研究概要 |
最近、UV障害に種々の活性ラジカルや脂肪酸代謝の関与が報告されている。リノール酸(LA)代謝産生のうち、ロイコトキシン(LX)は熱傷時に出現する悪玉で、13HODEはラジカルスカベンジャー作用や抗炎症作用をもつ善玉とされている。皮膚でのLA代謝は不明な点が多い。我々は、活性脂質を産生するLA代謝とUV照射との関係を理解すべくUV照射時のLXと13HODEの動態に検討を加えた。結果(1):マウスの皮膚にUVを照射し表皮中の13HODEを経時的測定すると、照射後徐々に増加し、2時間で最高値に達し、24時間で未照射の値に戻ることが確認された。結果(2):非放射性LAを用いた実験で、表皮ホモジネートによる13HODE合成はpH依存性で至適pHを8.0とし、基質濃度と蛋白濃度にも依存し、様々の阻害剤による阻害様式がリポキシゲナーゼよりシクロオキシゲナーゼ(COX)に類似していた。P450の阻害剤と賦活剤により影響を受けなかった。これらは皮膚の13HODE合成にCOXが関与していることを示唆している。結果(3):1%Tween20で可溶化した皮膚の13HODE合成酵素は必ずしもCOX1抗体で十分阻害されず、現在検討中である。結果(4):LXの定量法をGC/MSでみたが、量的に優位な特徴的なフラグメントが得られず、感度特異性の低いHPLCによる測定を余儀なくされた。LA測定によるホスホリパーゼ(PL)活性評価が同時にできる利点があった。LX様物質はUV照射前には見られず、照射後に少量認められた。遊離LAはUV照射前に痕跡量存在し、1-3時間後に増加し24時間後には痕跡量に復帰した。考案:これらの結果は、皮膚の13HODE合成はCOXによる可能性が最も高く、皮膚へのUV照射に際し、PLの活性化が13HODEの産生増加やLX様物質の産生と蜜接な関係にあることを示唆している。13HODE合成酵素活性ならびにLX合成系が増加しているか否かについては今のところ不明である。両者とも結合型が酵素の活性により遊離してきている可能性も否めない。更なる検討が必要である。
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