研究課題/領域番号 |
05670764
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
伊藤 正光 東京大学, 医学部(医), 助手 (80176362)
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研究分担者 |
渡辺 徳子 (渡部 徳子) 東京水産大学, 水産学部, 教授 (40092382)
酒井 一夫 東京大学, 医学部, 講師 (40153837)
佐々木 康人 東京大学, 医学部, 教授 (80081694)
鈴木 紀夫 東京大学, 医学部, 教授 (10010050)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1993年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 腫瘍 / 放射線治療 / 腫瘍床 / 代謝 / 血流 / 血管新生 / 核磁気共鳴 / 生理因子 / cancer / metabolic status / aerobic glycolysis / MRS |
研究概要 |
癌治療において腫瘍組織の局所制御、及び転移の抑制はもっとも重要な課題である。特に限局して存在する癌組織に対しては、局所制御の面からも、QOLの面からも放射線治療の役割がますます重要になりつつある。一方癌の放射線治療は、限局した特定の悪性腫瘍の局所制御や転移の制御に効果をあげてはいるものの、放射線抵抗性の再発腫瘍に対しての生物学的アプローチはまだ緒に就いたばかりであり、その生物学的背景については未知の要員が多い。ここでは腫瘍の栄養状態や環境因子を規定する生理因子に着目し、マウス腫瘍モデルを用いて増殖する腫瘍系および照射された組織における腫瘍の血管新生・エネルギー状態・ATP合成能・血流・細胞内pHなどの因子を計測することにより、Tumor Bed Effect(TBE)の生理的な状態およびそれらの相互関係について調べた。Angiogenesis・NMRの結果を合わせると、腫瘍のエネルギー状態・ATP合成計測・酸素分圧等の計測より、照射された組織中の腫瘍では血流やエネルギー状態、pHiの低下、ATP合成の低下を認めた。特にTBE中では腫瘍の縮退よりも早期に生理的因子(新生血管・血流・エネルギー状態・pHi)の変化を認めた。これらより生理因子が腫瘍の局所制御に重要であることが示唆された。生理因子が最終的な予後にどう影響を及ぼすかについては今後の検討課題である。 一方最近分子生理学の発展と共に細胞増殖因子等の発見による血管の分子生物学が盛んとなり、腫瘍血管新生のメカニズムへの解明研究が緒に就きつつある。今後はさらに腫瘍の放射線応答および血管新生抑制物質による応答を、血管内皮細胞増殖因子やサイトカイン等との相互作用を含めて明らかにする方向の研究を進めていきたい。また放射線抵抗性を形づくる他の生物学的因子すなわち腫瘍細胞固有の放射線抵抗性、照射後の再増殖能、免疫因子などについてもあわせて平行して研究を進めることにより放射線による再発腫瘍の制御機構解明への一助としたい。
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