研究課題/領域番号 |
05670767
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
久田 欣一 金沢大学, 医学部, 教授 (50019882)
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研究分担者 |
松田 博史 国立精神神経センター, 武蔵病院・放射線診療部, 部長 (90173848)
柴 和弘 金沢大学, アイソトープ総合センター, 助手 (40143929)
森 厚文 金沢大学, アイソトープ総合センター, 教授 (90019604)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1993年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | ムスカリン性アセチルコリンレセプター / メッセンジャーRNA / in situハイブリダイゼーション / アルツハイマー病 / 脳血管障害 / 痴呆 |
研究概要 |
1.アルツハイマー病患者におけるコリン作動性神経の減少の原因解明のため、一側性全脳基底部破壊によるアルツハイマーモデルラットと対照ラットを用いて、コリン作動性神経系の変化の定量を試み、以下の結果を得た。 (1)インビトロアッセイ法においては、ムスカリン性アセチルコリン受容体(mAchR)蛋白のメッセンジャーRNA(mRNA)に特異的なS-35標識オリゴヌクレオチドを用いたIn Situハイブリダイゼーション法を用いて、mAchR-mRNAの分布画像を作成し、パーソナルコンピュータを用いた画像システムでデジタル化し、定量解析を行った。モデルラットにおいて、mAchR-mRNAの分布は対照ラットと変化を認めなかった。H-3キヌクリディニルベンジレートを用いたmAchR分布では、モデルラットにおいては有意の変化を認めなかったが、神経伝達物質であるアセチルコリンの量はモデルラットの前頭葉皮質において有意に低下していた。また、コリン作動性神経終末のシナプス小胞に取り込まれ、その分布を示すAH5183の結合は、モデルラットで有意に低下していた。以上からアルツハイマーモデルラットでは、レセプターは総量、代謝速度とも変化なく神経終末の変化をとらえることが病態の把握に有用と考えられた。 (2)インビボアッセイ法においては、AH5183の誘導体について放射性ヨード標識を行い、対照ラットにおいてコリン作動性神経終末分布の画像化を行った。モデルラットにおいては現在検討中である。 2.脳血管性痴呆においては、脳虚血モデルラットにて、血流、mAchR、mAchR-mRNAの経時的変化に解離が認められた.特にmAchR分布は血流情報とは異なる神経機能情報を鋭敏に示し、局所虚血時における神経細胞の生存や遠隔効果を知る示標として有用であることが示された.
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