研究課題/領域番号 |
05670776
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
稲本 一夫 大阪大学, 医学部, 教授 (00068446)
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研究分担者 |
大西 俊造 大阪大学, 医学部, 教授 (00028367)
稲邑 清也 大阪大学, 医学部, 教授 (90203207)
梅田 徳男 大阪大学, 医学部, 助手 (40142319)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 胃癌 / 癌の発育 / 胃X線像 / 画像処理 |
研究概要 |
〔目的〕胃癌のX線像を画像処理して比較検討することにより、胃癌の発生、進展についての新しい知見を得ることと病変を強調することで、X線像の読影時の見落としを防ぐ技術を開発する。 〔対象〕胃がん発見前3〜4年間にわたり毎年ほぼ同時期に人間ドックで胃X線検査を受けている胃がん45例を対象とした。 〔方法〕画像処理はEXCELシステムを使用した。CCD-TVカメラで入力し、階調処理(反転)、フィルタリング(ゾーベル法)、ボケマスク処理(高周波強調)を全ての写真について行った。さらに経年変化を明らかにするため、新たに講入したマッキントッシュを使用してファイルし、CRT画面上で比較し、その画像を光磁気ディスクに記録した。 〔結果〕ゾーベル法は、胃の粘膜像を強調するのに効果があり、胃の粘膜の不整、乱れ、集中、陥凹変化を顕著にするのに役立つ。高周波強調はオリジナル画像に現れている形態的変化を損なうことなく強調し、隆起性変化を明らかにするのに役立った。 対象45例の観察の結果、次のように分類された。(1)正常の粘膜に癌発生:8例、(2)粘膜の不整、乱れから癌発生:19例、(3)胃潰瘍瘢痕の近傍から発生:17例、(4)前年に癌があり(見逃し):1例である。経年変化からみると、非常にゆっくりと発育したと思われるもの(陥凹性病変に多い)と、急速に発育しているもの(隆起性病変によくみられる)とがある。こられの症例の画像処理像の比較はマッキントシュを用い継続中である。 〔考察〕胃癌X線像を画像処理することにより正常または病的な粘膜から胃癌が立ち上がってくる様子が解明された。手術標本の解析はまだ行っていないが、近く入手するカラースキャナーで入力し、画像処理を行い、X線像と合成して観察する。 〔結論〕画像処理技術は胃X線像を強調するのに役立ち、胃癌の発生研究に病理像、細胞像とともに研究ツールとなる意義は大きい。
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