研究概要 |
1.分子量の異なる造影剤の血管透過性の差異に関する検討 分子量が異なる市販の造影剤iopamiron(分子量:777.1)とiotrolan(分子量:1626.2)を用い,我々が考案した人工透析用ダイアライザーの血管透過性ファントムにダイナミックCTを行い両造影剤の透過性の差異を検討した.その結果,ダイアライザーの出口近傍部での時間-濃度曲線を比較すると,iopamironではiotrolanに比べ,peak time及び,peak density共に数秒及び,4〜6H. U.低値を示した.これは分子量の低いiopamironが速やかに透過した結果と考えられたが,両造影剤の分子量の差異が700程度では拡散画像をえるには少なすぎると考えられた. そこで,高分子型造影剤として,既に我々が開発したヨード化澱粉(以下IES)を用いて,iopamiron(以下IP)との透過性の差異につき同様の手法で検討した結果,最大peak densityの差異で15H. U.が得られ,以下の実験動物による拡散画像の検討を行った. 2.実験動物における拡散画像の診断的意義の検討 家兎VX2腫瘍を用いて,IPとIESによるダイナミックCTを行い,両造影剤による時間-濃度曲線及びIPによる曲線からIESによる曲線を差し引いた時間-拡散曲線と組織構造との詳細な対比を行った.その結果時間-拡散曲線の勾配は腫瘍部血管増生度を良く表現し,乏血管性腫瘍の検出にも拡散画像が有用であることが明らかとなった.
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