研究課題/領域番号 |
05670785
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
中村 佳代子 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (20124480)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1993年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 標識抗体 / ラジオアイソトープ / インターフェロン / IL-2 / 脱ヨード化現象 / ターゲティング療法 / 癌 |
研究概要 |
腫瘍に関連したモノクローナル抗体をRIにて標識して投与し、腫瘍の局在を知り、治療を目的としたイムノターゲティングについて、RIの非特異的な集積と腫瘍部位への集積量の低さが問題になっている。本研究ではRIだけでなく、薬剤をも抗体に複合(コンジュゲート)させ、この2つを同時に腫瘍にターゲティングさせることで、薬剤の働きを借りてRIを効率良く腫瘍に集積させる方法を確立することを目的としている。ヒト癌を植え付けたマウスを用いた検討で以下のような成果を得た。 (1)IFNを封入したミニペレットを皮下に埋め込むことで血中に徐々にINFを放出し、血中IFN濃度を一定に保つことが出来た。従来のようにIFNを連日投与する必要がなく、ミニペレットを皮下に埋め込んだ後に、I-125、In-111、Tc-99mにて標識した抗体を投与した結果、いずれの標識抗体も腫瘍にコントロール群の2倍以上の集積を示した。他の正常組織へのRIの分布についてもIFNの影響はほとんど認められず、IFNの効果は腫瘍に特異的であると思われた。 (2)IL-2の投与法によってその後の標識抗体の生体内分布に有意な相違を認めた。特に、静注投与はこれに続く毒性が非常に高く、標識抗体の生体分布を正確に評価することが出来ないため、IL-2の投与形態を慎重に検討する必要性を認めた。又、これまでに報告されている方法を改良して抗体の免疫活性を失わずしてIL-2をconjugateする事が出来た。IL-2の薬理作用については検討中である。IL-2をconjugateした抗体をマウスに投与した初期の実験では腫瘍組織の血管透過性はコントロール群よりも増加はしたが、IL-2単独投与の場合よりもその効果は小さかった。 (3)脱ヨード化を防ぐ薬剤として細胞内のライソゾーム酵素阻害剤のヴェラパミール、モネンシン、クロロキン、リドカインを腫瘍に局注した結果、いずれの薬剤も初期の腫瘍集積を上昇させた。しかし、この集積は時間が経過するにつれ、対照群(無処置)と同様に低下した。しかし、いずれも血中のクリアランスを早め、結果的に腫瘍/血液比が対照群よりも約5倍増加した。これらの薬剤を抗体にコンジュゲートさせ腫瘍への特異的集積を検討中である。
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