研究課題/領域番号 |
05670801
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 富山医科薬科大学 |
研究代表者 |
倉知 正佳 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (80019603)
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研究分担者 |
柴田 良子 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (40216023)
谷井 靖之 富山医科薬科大学, 付属病院, 講師 (80227206)
鈴木 道雄 富山医科薬科大学, 付属病院, 講師 (40236013)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1994年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1993年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | ドーパミン代謝 / 嗅内皮質 / 扁桃体 / 精神分裂病 / 側坐核 / デカン酸ハロペリドール / 前頭前野 |
研究概要 |
本研究の目的は、精神分裂病におけるド-バミン(DA)過剰伝達の成立機構を解明することにある。精神分裂病では、海馬傍回の機能的・形態学的変化が報告されていることから、ラットで、海馬傍回前方部に相当する嗅内皮質を傷害させ、とくに扁桃体のDA代謝の変化を検討した。 1.成熟ラットの嗅内皮質ニューロンの傷害によるDA代謝の変化。 Wistar系雄性成熟ラットの左嗅内皮質神経細胞をキノリン酸で傷害させ、脳内5部位についてDAとその代謝産物(DOPACとHVA)の組織濃度を電気化学検出器付き高速液体クロマトグラフで測定するとともに、DA放出量の変化を脳内微小透析法にで測定した。傷害4週後には、扁桃体のDA濃度は、対照の120%にまで増加し、メタンフェタミン腹腔内投与によるDA放出量も、対照群よりも有意に上昇した。 2.幼若ラットの嗅内皮質ニューロンの傷害が、成熟期のDA代謝に及ぼす影響。 Wistar系雄性ラット生後1週目の左嗅内皮質の神経細胞を傷害させた後、生後5週と8週に脳を取りだし、脳内5部位でのDAとその代謝産物(DOPACとHVA)の組織濃度を測定した。その結果、傷害群の生後5週では、両側の外側扁桃体のDA濃度は、偽手術群に比べて有意に増加した。傷害群の生後8週では、左の外側扁桃体でDAの増加が持続し、両側の側坐核のDA濃度とHVAも増加した。 本研究ではじめて示された扁桃体DA濃度の増加は、分裂病死後脳での報告と一致し、嗅内皮質傷害ラットが、分裂病のDA過剰伝達の動物モデルになり得ることを示唆する。
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