研究課題/領域番号 |
05670809
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
森本 茂人 大阪大学, 医学部, 講師 (20150336)
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研究分担者 |
福尾 恵介 大阪大学, 医学部, 助手 (40156758)
井上 卓夫 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
名畑 孝 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1994年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1993年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | アルツハイマー型老年期痴呆 / リゾホスファチジルコリン / アルブミン / ムスカリン性アセチルコリン / 血清 / 脂質 / リゾフォスファチジルコリン |
研究概要 |
ムスカリン性アセチルコリン受容体に対するアルツハイマー型老年期痴呆例流血中の阻害因子の詳細につき検討を進めた。血清中に存在するリン脂質の一種であるlysophosphatidyl choline(LPC)はin vitroにおいて濃度依存的にラット脳シナプス膜分画ムスカリン性アセチルコリン受容体に対する[^3H]quinuclidinyl benzilate ([^3H]QNB)結合を抑制する。しかし他のリゾリン脂質であるlysophosphatidyl ethanolamineやlysophosphatidyl serineにはこの抑制作用は認められなかった。またLPC(各10^<-4>M)の1位の脂肪酸側鎖がC10:0のdecanoyl基以下の短鎖脂肪酸より成るLPCでは[^3H]QNB結合抑制の程度は10%以下と低値であったが、C14〜C18の飽和脂肪酸であるmyristoyl基〜stearoyl基より長鎖の脂肪酸よりなるLPCでは[^3H]QNB結合抑制は30%前後と高値を示し、さらに不飽和脂肪酸であるoleoyl(C18:1)、linoleoyl(C18:2)、arachidonyl(C20:4)ではさらに高度の抑制を示した。またLPC10^<-4>Mの[^3H]QNB結合抑制作用は10^<-3>Mアルブミン添加によりほぼ完全に抑制され、血清中では大部分のLPCがアルブミンと結合していると考えらている。しかし、アルツハイマー型老年期痴呆群では血清アルブミン値は有意に低下しており、アルツハイマー型老年期痴呆例では血清中遊離型LPC濃度の増加が、脳シナプス膜ムスカリン性アセチルコリン受容体に対する阻害作用を示している可能性がある。以上、アルツハイマー型痴呆例の流血中ムスカリン性アセチルコリン受容体阻害性因子の一因子として流血中LPCがあげられ、老年期痴呆に関与している可能性を示した。
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