研究課題/領域番号 |
05670847
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 創価大学 |
研究代表者 |
内村 和広 創価大学, 工学部, 助手 (30247283)
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研究分担者 |
片桐 秀樹 東京大学, 医学部(病), 医員
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | インスリン分泌 / グルコキナーゼ遺伝子 / ミトコンドリア遺伝子 / 糖輸送担体 |
研究概要 |
我々が樹立したマウスインスリノーマ由来のMIN6細胞は、そのグルコース濃度依存性、グルコース輸送能、発現している糖輸送担体の種類、グルコキナーゼの発現、グルコース利用、などすべての点で正常の膵臓beta細胞ときわめて類似していることを明らかにした。引き続いて、MIN6細胞に、糖輸送担体、ヘキソキナーゼの遺伝子を導入し発現させて、グルコース刺激によるインスリン分泌を検討した。ヘキソナーゼの大量発現により、インスリン分泌のグルコース濃度による容量反応曲線は左にシフトし、グルコースリン酸化のステップがグルコースセンサーとして重要であることが示された。 さらに我々はミトコンドリア遺伝子異常による糖尿病を検討した。ミトコンドリアでのATP産生はグルコース刺激によるインスリン分泌に重要であり、この遺伝子異常によりインスリン分泌障害をきたすことは容易に理解できる。我々は母親も糖尿病である300人の糖尿病患者をスクリーニングし、このミトコンドリア遺伝子異常による4家系を見いだした。すなわちその頻度は母系遺伝の糖尿病患者の1%強と考えられ、従来知られている糖尿病の遺伝子異常のなかではもっとも頻度が高い。家系の解析では発症年齢は多岐にわたり、NIDDMからIDDMまでさまざまな病型を呈するが、進行性のインスリン分泌低下に基ずく病状の増悪傾向を認めるという特徴が認められ、次第に経口血糖降下剤が無効となりインスリン治療が必要となるいわゆる経口剤の二次無効例となる症例も多く認められた。これは、我々がすでに見いだした、グルコキナーゼ遺伝子異常の患者では糖尿病状態の進行がきわめて遅いこと、きわめて好対照であった。
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