研究課題/領域番号 |
05670872
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
榊田 典治 熊本大学, 医学部・附属病院, 助手 (50170577)
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研究分担者 |
宮田 高雄 熊本大学, 医学部, 助手 (70244118)
小堀 祥三 熊本大学, 医学部・附属病院, 講師 (00201492)
七里 元亮 熊本大学, 医学部, 教授 (00028515)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1993年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 針型ブドウ糖センサ / フェロセン / 携帯型人工膵島 / ポリビニールアルコール / 2-メタクリルオキシエチル・ホスホリルコリン / 生体適合性膜 / 糖尿病 / コ-メタクリルオキシエチル・ホスホリル / 生体適合膜 / コリン / 携帯人工膵島 / ポリビニルアルコール / 細胞膜類似リン脂質膜 |
研究概要 |
今回、センサ長寿命化を図るべく、生体適合性に優れた膜デザインとして、生体細胞膜のリン脂質二重膜構造が抗血栓性、蛋白付着阻止作用に重要な役割を示すことに着目し、生体膜類似の構造を持つ2-メタクリロイル・オキシエチルホスホリルコリンとブチルメタクリレートの共重合体脂質膜を微小針型ブドウ糖センサに適用した。 MPC膜被覆フェロセン付加微小針型ブドウ糖センサは、in vitroでブドウ糖溶液10〜400mg/100mlの範囲でセンサ出力は直線性を示し、in vivoでの“みかけ上のセンサ出力"の平均値で103.3±1.8であった。経口ブドウ糖負荷時の頂値および経静脈的インスリン負荷時の最低値に達するまでの応答時間は、それぞれ4.6±1.2分、6.9±1.6分であった。MPC膜被覆フェロセン付加微小針型ブドウ糖センサにより計測した皮下組織内ブドウ糖濃度(Y)は、血糖値(X)に比し3.3±1.8%高い値を示した(Y=1.04X+0.12 r=0.98)。経静脈的インスリン負荷試験で、低血糖(30〜40mg/100ml)を十分把握しえる結果も得た。In vitroにおける70g/lアルブミン添加ブドウ糖溶液を用いたMPC膜被覆フェロセン付加微小針型ブドウ糖センサの出力の経時的変化をみた成績では、7日目まで有意な低下を認めず、14日目89.8±5.2%を示した。一方、Invivoでも7日目まで“みかけ上のセンサ出力"は有意な低下を示さず、14日目80.4±6.8%であり、PVA膜被覆微小針型ブドウ糖センサに比し生体適合性に優れた特性を確認した。同時に検討した走査電顕像では、MPC膜被覆フェロセン付加微小針型ブドウ糖センサの膜表面への蛋白の付着は、14日目においても軽微であり、MPC膜がセンサの長寿命化をもたらすことが示唆された。 以上の基礎的検討を踏まえ、長期の皮下組織内ブドウ糖連続計測を試みた結果、本センサより計測した皮下組織内ブドウ糖濃度(Y)と血糖値(X)の間に、7日間に亘り高い相関関係を認めた(Y=1.07-0.30、r=0.96)。しかし、10および14日目の検討で、センサより計測した皮下組織内ブドウ糖濃度は血糖値に比し有意に低値を示したが、7日目以降毎朝の血糖値による較正を行うことにより、14日間血糖変動によく追随することを示した。従って、7日目ごとのセンサ交換を行うことにより、本センサを組み込んだ携帯型人工膵島を糖尿病患者の長期に亘る血糖値の生理的制御に極めて有用であることが示唆された。 以上、MPC膜被覆フェロセン付加微小針型ブドウ糖センサは7日間毎に交換することにより携帯型人工膵島の長期応用の可能性が示唆された。
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