研究課題/領域番号 |
05670904
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
谷 憲三朗 東京大学, 医科学研究所, 講師 (00183864)
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研究分担者 |
八木田 秀雄 順天堂大学, 医学部, 助教授 (30182306)
小澤 敬也 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (30137707)
浅野 茂隆 東京大学, 医科学研究所, 教授 (50134614)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | レトロウイルスベクター / 細胞ターゲッティング / 双特異性抗体 / 白血病細胞 / CALLA抗体 / 単クローン抗体 |
研究概要 |
われわれは従来白血病・リンパ腫の治療をめざし、大量化学療法に骨髄移植を組み合せた療法により、多くの治癒例を経験してきた。しかし依然として現行の療法に不応な症例も多く、今後新しい治療法の開発が望まれている。レトロウイルスベクターを用いた遺伝子治療法の開発はこの中の有望な療法のうちの1つである。しかし、現行のレトロウイルスベクターを用いる限り、ex vivoでの遺伝子導入が可能なのみであり、治療法の選択として、悪性細胞への直接的アプローチは困難である。そこで我々は、抗レトロウイルスエンベロプ蛋白(gP70)に対する単クローン抗体と、急性リンパ性白血病(ALL)細胞に対する単クローン抗体とを直接結合させた複合抗体を作製することにした。つまりこの抗体を作製することで、レトロウイルス自体を標的であるALL細胞表面に効率良く付着させることが可能となり、レトロウイルス中に組み込まれたヘルペスウイルスチミジンキナーゼ(HSV_1-TK)遺伝子の腫瘍細胞中への導入を効率良く行えると考えられる。HSV_1-TK遺伝子はガンシクロビル(GCV)等の核酸類似物質の投与で殺細胞効果を、その遺伝子発現細胞に引き起こすことが知られており、この系の確立は遺伝子治療を用いた直接的腫瘍効果発現の為に極めて重要であると考えられる。我々は先ず悪性リンパ腫細胞に対する単クローン抗体(c143)と抗gp70単クローン抗体の双特異性抗体の作製を試みたが、c143抗体の構造上の問題より、作製ができなかった。そこで次に、ALLの特異的抗体であるCALLA抗体を試験的に用いて、この系自体の成功の可能性をさぐることにした。現在gp70とCALLA抗体との間の双特異性抗体の作製には成功しており、in vitroでβ-ガラクトシターゼ挿入レトロウイルスを用いてCALLA陽性細胞への遺伝子導入効率の検討をおこなっている。むろんCALLA抗体はB前駆細胞表面にも発現している為、今後、この成績をもとに実用的抗体や腫瘍特異的プロモーター遺伝子を用いた臨床的面での応用をはかっていく予定である。
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