研究課題/領域番号 |
05670941
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
腎臓内科学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
小山 哲夫 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (80111384)
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研究分担者 |
飯塚 正 筑波大学, 臨床医学系, 助手 (80251065)
小林 正貴 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (10195810)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | スーパー抗原 / MRSA / 糸球体腎炎 / エンテロトキシン / T cell-receptor |
研究概要 |
目的:我々はMRSA感染後、T細胞の広範な活性化とIgG-IgAのpolyclonal activationを来し、糸球体にIgA・IgG・C3の沈着を伴う、急速進行性糸球体腎炎にネフローゼ症候群を伴う新しい腎疾患を発見し、そ発症機序についてリンパ球サブセットや免疫複合体の性状並びに腎組織所見について検討した。 結果:1)臨床的には免疫グロブリン、特にIgAとIgGのpolyclonalな過剰産生が生じ、急速進行性腎炎症候群にネフローゼ症候群を伴う形式で発症することが多い。2)リンパ球のサブセットは活性化されたCD4、CD8細胞が著しく高率に認められた。3)検出されたMRSAのエンテロトキシンはA、C及びTSST-1であった。4)外来性スーパー抗原の関与の証拠として、本来末梢血では僅かしか検出されないTCR+Vβ+細胞、特にVβ5C+細胞が増加していた。5)これらの腎炎患者の流血中免疫複合体は19Sから7Sを中心に分布しており、腎炎惹起性があるものと考えられた。6)血中、尿中サイトカイン、特にIL-6は異常高値を呈した。7)腎組織中にMRSA関連抗原は認められなかった。 結論:この糸球体腎炎の発症機序はMRSA由来エンテロトキシンがスーパー抗原として作用し、MHCクラスIIの非多形成領域に結合して、特定のTCRVβ領域の相補的決定部位以外の領域を介して認識され、それにより広範なT細胞の活性化、サイトカインの過剰な放出、B細胞の活性化、腎炎惹起性免疫複合体が産生するものと考えられた。
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