研究課題/領域番号 |
05670983
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
山本 哲 旭川医科大学, 医学部, 講師 (50125415)
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研究分担者 |
小野寺 一彦 旭川医科大学, 医学部, 助手 (00204264)
葛西 眞一 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (40091566)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1994年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1993年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 化学発癌 / 薬物代謝 / 人工肝臓 / 前癌病変 / 親脂化膜 / アルギン酸カルシウム / 2-Acetylaminofluorene / 親指化膜 / 門脈下大静脈吻合 / Diethylnitrosamine |
研究概要 |
化学発癌によって形成されたHN細胞を分離し、これをアルギン酸カルシウム膜で包んだものを代謝のリアクターとする肝機能補助装置を作成、疎水性のポリエチレン中空糸膜のパラフィン充填による親脂化膜を介して、脂溶性毒素フェノールの代謝除去を試みた。HN細胞の代謝能としては、NADPH-Cyt.C Reductase活性で、通常の肝細胞の1.7倍の高値を示し、実験動物に慢性肝障害モデルである門脈下大静脈吻合を行うことによっても約1.8倍の活性増加が得られたことから、この両者の組み合わせによりさらに高い薬物代謝活性を有する細胞が得られる可能性が示唆された。しかし、このHN細胞の分離と代謝のリアクターに適した形態としてのゲルビーズ化については、HNミンス+コラゲナーゼ消化では回収率が悪く、HNミンスを直接アルギン酸カルシウムに包んで直径約2mmの比較的大きなゲルビーズをつくらざるを得なかった。このHNゲルビーズを利用した親脂化膜を介するフェノールのグルクロン酸抱合については、代謝産物は確認されたものの、期待された量には達しなかった。その原因として、十分に分離されない細胞群をアルギン酸膜で被包したために、HNゲルビーズのCO_2インキュベータ-内での48時間の培養で、70-80%の細胞が核萎縮、細胞壊死を示したように、酸素化が不十分であったことが考えられた。 HN細胞を利用する利点は、腫瘍系細胞の持つ保存性、増殖性の高い点を期待しながら、必要とする代謝活性を酵素誘導を通じて高めることができる点にある。しかしこの細胞群の代謝のリアクター化で問題となったのは、細胞の遊離化であった.HN細胞を肝機能補助に用いるには、この細胞の効率的な遊離化が不可欠と考えられた。
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