研究課題/領域番号 |
05671016
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
諸星 隆夫 (1994) 横浜市立大学, 医学部, 助手 (80244458)
宮崎 卓哉 横浜市立大学, 医学部・第1外科, 助手 (10244493)
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研究分担者 |
稲山 嘉明 横浜市立大学, 医学部, 講師 (10184730)
野一色 泰晴 横浜市立大学, 医学部, 講師 (60033263)
諸星 隆夫 横浜市立大学, 医学部・第1外科, 助手 (80244458)
前原 孝光 横浜市立大学, 医学部・第1外科, 助手 (80254217)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1993年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 超極細ポリエステル繊維 / 上皮化人工気管 / in vivo培養 / 培養 |
研究概要 |
高有孔性の超極細ポリエステル人工気管(内径7mm,長さ25mm)を培養管として気管上皮をin vivo培養することににより上皮化人工気管の作成を試みた。培養管(人工気管)を予めヌードマウスの皮下へ移植し、気密性を付与すると共に培養管壁への自家肉芽組織侵入をはかった。移植後3〜4週で、家兎気管から酵素的に回収した上皮を約1×10^6個mlに調整して培養管に注入し(約0.6ml)、同じヌードマウスの皮下で培養を行った。細胞注入後3〜4週で培養管を回収し、上皮生着の有無を組織学的に観察した。 皮下移植4週後に気管上皮を注入し、その4週後に回収した培養管7本中5本(71.4%)は感染をおこして内腔に膿瘍形成をきたした。膿瘍形成のない培養管2本は内腔に漿液性の液体をいれており、そのうち1本では内腔の1/3周にわたって線毛上皮を含む重層偏平上皮および線毛円柱上皮や粘液細胞の生着を認めた。膿瘍形成の第一の原因は、移植部分の皮膚の圧迫壊死による培養管露出(42.9%,3/7)のための感染と考えられた。そこで皮下移植期間を3週間に短縮し、培養管の回収時期も3週後にしたところ、培養管露出は28.6%(2/7)に、膿瘍形成の割合は57.1%(4/7)に減少した。膿瘍形成をおこさなかった培養管3本ではいずれも内腔の全周(2本)から3/5周(1本)にわたって上皮の生着を認めた。ただし、回収時期が早かったために全体に重層偏平上皮の割合が多く繊毛上皮・粘液細胞は4週間培養したものに比べて少なかった。 結論として、2回の実験を総合して露出や感染のない培養管における上皮生着率は80%(4/5)で、in vivo培養による人工気管の上皮化は十分可能であった。今後は感染の予防による上皮生着率の向上を目指し、培養管摘出-再移植時の上皮再生に関する検討、家兎を用いた皮下移植-気管置換実験へと発展させていく予定である。
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