研究課題/領域番号 |
05671028
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
沖永 功太 帝京大学, 医学部, 教授 (00101098)
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研究分担者 |
飯沼 久恵 帝京大学, 医学部, 助手 (30147102)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1993年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | PCR-SSCP / p53遺伝子 / K-ras遺伝子 / 胃癌 / 大腸癌 / 血行性転移 / 癌遺伝子 / 腫瘍マーカー / 消化器癌 |
研究概要 |
現在、消化器癌治療の際、リンパ行性転移に対しては、拡大手術などによってある程度対応できるが、血行性転移と腹膜播種は依然として外科手術の明らかな限界である。このうち、癌の血行性転移を早期に把握することは、癌の治療方針を決定し予後を改善するうえで非常に重要である。しかし、血中の癌細胞の検出は、これまで高感度の検出法がなかったことから非常に困難であった。本研究はPCR-SSCP法を用い、血中癌細胞を検出し、血行性転移の予測診断法を確率する事を目的とした。対象は胃癌および大腸癌症例とし、遺伝子マーカーとして、これらの癌で遺伝子異常が高頻度に認められている癌抑制遺伝子p53および癌遺伝子K-rasを用いた。血中の正常細胞に占める癌細胞の割合は非常にわずかであることから、採血部位はできるだけ癌細胞に富むと予想される腫瘍局所血管(胃静脈、下腸間膜静脈)から採血した。さらに白血球共通抗原(CD45)に対する抗体を用いたMagnetic cell separationにより、正常な白血球細胞をできる限り除去することにより、腫瘍細胞を約20倍に濃縮できた。また、通常のPCR後、Nested PCRを行い、検出感度を上昇させることにより腫瘍細胞1個でも点突然変異の検出が可能であった。またこれらの一連の手法を行うことにより、正常細胞1000個に対し、1.2個の腫瘍細胞があれば検出可能となった。この方法を用いて、胃癌および大腸癌症例5例の原発部組織および腫瘍局所血管の血液サンプルを用いて検討したところ、5例中1例の血液に、原発部と同様なSSCPの変異バンドを認めた。さらに検出された変異バンドの特異性を明確にすべく、サザンプロット、コロニーハイブリダイゼーション,ダイレクトシークエンス法を行ったところ、K-ras codon12のGly(GGT)からAsp(GAT)への変異が確認された。本方法は検出感度も高く、操作も簡便なことから、有用な血中癌細胞検出法であると考える。
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