研究課題/領域番号 |
05671064
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
宇佐美 真 (1994-1995) 神戸大学, 医学部・附属病院, 講師 (00193855)
笠原 宏 (1993) 神戸大学, 医学部・附属病院, 助手 (10243304)
|
研究分担者 |
山本 正博 神戸大学, 医学部, 助教授 (40166822)
笠原 宏 神戸大学, 医学部・附属病院, 助手 (10243304)
齋藤 洋一 (斎藤 洋一 / 斉藤 洋一) 神戸大学, 医学部, 教授 (90004803)
金丸 太一 神戸大学, 医学部・附属病院, 医員
宇佐美 真 神戸大学, 医学部・附属病院, 講師 (00193855)
|
研究期間 (年度) |
1993 – 1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1995年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1994年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1993年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
|
キーワード | 多価不飽和脂肪酸(PUFA), / n6多価不飽和脂肪酸, / n3多価不飽和脂肪酸 / 肝再生 / 急性肺障害 / 急性壊死性膵炎 / 多価不飽和脂肪酸(PUFA) / n6多価不飽和脂肪酸 / インドメサシン / 多価不飽和脂肪酸 / ω-6系脂肪酸 / ω-3系脂肪酸 |
研究概要 |
70%肝部分切除後の残存肝では、肝再生のエネルギー基質としてのみならず細胞および組織の再生基質としても脂肪の集積がおこるとされ、我々も報告している。低脂肪食を摂取させたラットでは、肝部分切除後の肝細胞のDNA合成は抑制され、再生肝重量も低く、肝再生が抑制されたため、体内でブドウ糖などから供給される脂肪(主にω9系)のみでは肝再生が行なわれないことが明らかとなった。次に、体内で合成されない脂肪(必須脂肪酸)すなわちω6系脂肪酸とω3系脂肪酸を付加したところ、ω6の補充は肝再生早期の肝細胞DNA合成を促進させ、コントロール(普通食)まで回復したが、他方、ω3の補充では低脂肪食よりもむしろ低く、肝細胞DNA合成を抑制する可能性が示唆された。さらに、ω6系から生成されるエイコサノイドのひとつであり肝再生に関与するとされるプロスタグランデインE2に注目し、これの合成酵素であるcyclooxygenaseをインドメサシンでブロックしたところω6の補充では肝再生が有意に抑制され、ω3補充では抑制されず、肝再生早期の肝細胞DNA合成にはω6系多価不飽和脂肪酸が必要不可欠であることが明かとなった。また、エイコサノイドは侵襲時に各種ホルモンやサイトカインのネットワークと連動して種々の病態に関係する。そこで、ラットにエンドトキシンを静注し、急性肺障害を作成し、低脂肪食、ω6補充食、ω3補充食にて検討したところ、ω3補充にて急性肺障害(肺湿乾重量比、肺胞洗浄液中のトロンボキサンB2)の改善を認め、重症急性膵炎モデルではω3系脂肪乳剤で膵炎の軽減作用が明らかとなった。 以上、必須脂肪酸にはω6系とω3系があり、ω3系は現在抗炎症作用、抗動脈硬化作用、抗アレルギー作用など利点が強調されているが、各々の病態に則した脂肪の使用が必要であり、脂肪の種類・量・投与方法のさらなる検討が必要である。
|