研究課題/領域番号 |
05671076
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
愛甲 孝 鹿児島大学, 医学部, 教授 (60117471)
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研究分担者 |
馬場 政道 鹿児島大学, 医学部附属病院, 講師 (60198950)
田邉 元 (田辺 元) 鹿児島大学, 医学部附属病院, 助手 (60207157)
夏越 祥次 鹿児島大学, 医学部附属病院, 助手 (70237577)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1994年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1993年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 消化器癌 / 生物学的悪性度 / 転移 / 接着分子 / デスモゾーム / デスモソーム / 接着因子 / 悪性度 |
研究概要 |
食道正常上皮では細胞接着因子の一つであるデスモソームが発達しているが、癌腫ではデスモソームが減少していることを電子顕微鏡学的に証明した。さらにデスモソームに対する抗体(デスモグレインI:DGI)を用いた食道癌の免疫組織学的検討では、DGIの発現が減弱あるいは発現のないものは発現が強いものに比べ明らかにリンパ節転移が高頻度であった。また、リンパ節転移巣と原発巣でのDGIの発現を比較すると、リンパ節転移巣の85%で発現が同等あるいは減弱していた。したがってデスモソームによる接着性の低下とリンパ節転移の強い関連性が認められた。術前生検組織と切除標本組織では約70%の一致がみられた。また抗凝固因子として血管内皮に存在するトロンポモジュリン(TM)が正常食道上皮に存在することが認められたため、食道癌で発現を観察した。食道癌の原発巣とリンパ節転移巣でのTMの発現を比較した結果、リンパ節転移巣では原発巣に比べ明らかに発現が減弱しており、リンパ節転移にTMが関与していることが示唆された。 胃癌症例において、DGIの発現を検討した結果、発現の減弱に伴いリンパ節転移や転移個数が増加する負の相関が認められた。また組織型では低分化型に発現の減弱がみられた。糖鎖抗原(Sialyl-Tn)、各種遺伝子(p53、C-erbB-2)、DGIを比較検討したが、リンパ節転移に関してはDGIとの関連性が強く認められた。また、免疫担当細胞と関連したHLA-DR抗原および腫瘍浸潤S-100蛋白樹状細胞についての検討では遠位リンパ節転移との関連や予後との相関がみられた。以上、これらの知見は上部消化器の悪性度に関して術前診断や術後の補助療法に有用な情報を提供するものと考えられた。
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