研究課題/領域番号 |
05671099
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
上山 泰男 関西医科大学, 医学部, 教授 (90127069)
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研究分担者 |
川口 雄才 関西医科大学, 医学部, 助手 (10177660)
權 雅憲 関西医科大学, 医学部, 助手 (70225605)
箕浦 俊之 関西医科大学, 医学部, 助手 (40219704)
平松 義文 関西医科大学, 医学部, 講師 (30173264)
上辻 章二 関西医科大学, 医学部, 助教授 (20148505)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1993年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 肝不全 / 肝虚血 / 肝移植 / エネルギー代謝 / 酸化還元状態 / 補助肝 / 肝補助療法 / 肝性昏睡 / 異所性肝移植 / ケトン体比 / ブタ |
研究概要 |
現在行われている肝移植は、患者の全肝摘除後にDonor肝を移植しているが、この術式は手術侵襲が大きく、また移植肝の機能不全時には必ずDonor肝が緊急に供給されるというProcurement systemに依存している。日本での肝移植は肝機能が著しく低下した症例に対して行うことが要求され、また移植肝の機能不全時に別の新しいDonor肝が供給されるsystemはない。そこで、別の肝移植手技であるheterotopic(auxiliary)の肝移植手技の確立が急務である。この手技は手術侵襲が少なく、かつ移植肝が機能不全に陥っても早期に診断し、これを摘出することにより患者の肝は存在しているので直ちには死に直結しない利点がある。このauxiliary肝移植の手術手技の確立と移植肝のViabilityの判定手段の確立を目的にブタを使用して本研究を行った。 1.ブタの血中ケトン体比の測定方法の確立。肝不全動物のエネルギー代謝障害、不全の推移の数量時評価と移植肝のViabilityの評価には、ブタ血中におけるケトン対比(Acetoacetate/B-hydroxybutyrate比)の正確な測定が必須である。脂肪酸酸化によるケント体への影響を除外するため充分なブドウ糖を投与した場合ブタのケトン体量はヒト、ウサギ、ネズミに比較して少量であることが判明した。従って、acetoacetateあるいはB-hydroxybutyrateがketorexの測定限界以下の場合には、ケトン体比は測定不能と判断すべきことが判明した。糖負荷後の正常ブタでの動脈血中ケトン対比は(2.44±0.38、mean±se,n=6)であった。 2.肝部分切除ブタをRecipientとした場合の異所性肝移植。90%肝切除ブタを肝不全モデルとし、全肝の異所性肝移植を行った。しかし肝切除に伴う出血量の差異等が原因と考えられる血行動態の不安定が肝移植前に存在しRecipientの動脈血中ケトン対比も、Donor肝の肝静脈ケトン対比もいずれも低値であり、安定した、肝不全モデル及び異所性肝移植モデルの確立ができなかった。次に70%肝切除ブタをRecipientとしてこれに異所性肝移植を試みたが輸血を行わないモデルでRedox stateや血行動態よりみて安定した70%肝切除モデルは得られず、異所性肝移植後のRecipient、及び移植肝のRedox stateの推移を統計時に処理し得る、再現性のあるデータが得られなかった。 3.肝虚血による肝不全モデルの確立。部分肝切除への異所性肝移植の実験モデルが再現性に乏しいため、肝虚血による肝不全モデルを作製した。肝下部下大静脈と門脈と吻合後、胆管を除き肝門部で肝動脈、門脈の血流を遮断し、6時間の肝虚血モデルとした。本肝不全モデル作製に際しての出血は、肝切除モデルに較べ少なく、安定した、再現性のある肝不全モデルが得られた。本モデルにおいて、肝不全ブタ(Recipient)の動脈血中ケトン対比(Redox state)の低下と肝組織のenergy chargeが相関することが判明した。
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