研究課題/領域番号 |
05671109
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
宮村 治男 新潟大学, 医学部, 講師 (30166194)
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研究分担者 |
高橋 昌 新潟大学, 医学部・附属病院, 医員
高橋 善樹 新潟大学, 医学部・附属病院, 医員
菅原 正明 新潟大学, 医学部・附属病院, 医員
渡辺 弘 新潟大学, 医学部・附属病院, 助手 (10240516)
建部 祥 新潟大学, 医学部・附属病院, 医員
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1993年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 骨格筋 / 塩酸ブピバカイン / 遅速変換 / 心機能補助 / 低頻度電気刺激 / 骨格筋傍細胞 / 筋線維型 / 骨格筋ポンプ / 電気刺激 / 耐疲労性 / 活性化傍細胞 |
研究概要 |
自己骨格筋による心機能補助法の適応を広げるためには、耐疲労性を有する性質の骨格筋に転換するための期間、すなわちPreconditioningの期間を短縮することが必要と考え、その方法の開発を目的として本研究を計画した。まず第一に現行法では骨格筋を広範に剥離するための側副血行切断によって生じる筋線維の虚血性萎縮と、起始部を切断した等張性収縮によるPreconditioning法が問題であると考え、側副血行への依存が少ない大胸筋を用いて起始・停止を切断しないPreconditioning法を検討した。その結果、従来法と同様の速やかな遅筋線維への転換が行われた。また、本法では虚血性の筋線維萎縮が回避され、筋線維の肥大が生じるために、等張性収縮の従来法に比して、収縮力を減少させることなく短期間で耐疲労性を有する心機能補助が可能な骨格筋が誘導されることが明かとなった。 更に本研究では薬剤を用いたPreconditioning期間の短縮の検討を行った。塩酸ブピバカイン処理した後に低頻度電気刺激によるPreconditioningを行うことにより、速やかな速筋線維のDegenerationと、活性化された骨格筋傍細胞への低頻度電気刺激により短期間に高率に遅筋線維への分化誘導が行われることが明らかになった。その結果、誘導された骨格筋は耐疲労性を獲得した。しかしながら、塩酸ブピバカイン処理で誘導された骨格筋の4週間後の最大収縮力はPreconditioning前値と比較して低値であった。この結果は、急速かつ広範囲な骨格筋線維のDegenerationのためと考えられた。この事は、骨格筋の収縮力を用いた心機能補助という目的からは問題を残す結果となった。 今後塩酸ブピバカインにより誘導された骨格筋を心機能補助に用いるためには、収縮力を低下させない、もしくは最小限の低下でとどめる補助手段の改良が必要であると思われた。
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