研究分担者 |
饗場 正宏 昭和大学, 医学部, 助手 (70255735)
村上 厚文 昭和大学, 医学部, 講師 (50255733)
山田 眞 昭和大学, 医学部, 講師 (20230477)
井上 恒一 昭和大学, 医学部, 助教授 (10151606)
田中 弘之 昭和大学, 医学部, 助手 (30255731)
舟波 誠 昭和大学, 医学部, 講師 (50138434)
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研究概要 |
1.コントロール(成人開心術症例) 成人開心術10例において超音波ドプラ法による眼動脈および総頚動脈血流速測定と電磁血流計による腕頭動脈血流量の測定を行った.体外循環(CPB)の灌流量を2.4,2.2,2.0,2.2,2.4l/min/m^2と変化させた時、眼動脈最大血流速(OAVmax)は総頚動脈最大血流速や腕頭動脈血流量よりCPBの灌流量の変化に応じた推移を示した.また,同時に検討した末梢血管抵抗からCPB中は眼動脈の血管抵抗の変化は小さく、OAVmaxはCPBの灌流量に規定されると考えられた.したがって、OAVmaxはCPB中の脳内血流動態のモニターとして有用であると考えられた. 2.一側脳灌流法(SCP) 研究期間内に弓部大動脈瘤手術の2症例からデータが得られた.OAVmaxはCPB前(control)は右0.19m/sec,左0.23m/sec,SCP前はR0.09m/sec,L0.10m/sec,SCP中は600-700ml/minの送血量において送血側(R)0.07m/sec,非送血側(L)0.06m/secであった.controlを100%としてCPB開始後,SCP前,中,後,CPB終了後の変化率を表すと送血側は73.7%,47.4%,36.8%,121.1%,231.6%,非送血側は82.6%,43.5%,26.1%,152.2%,217.4%であった.脳組織酸素分圧の測定ではSCP中は酸化ヘモグロビン,チトクローム酸化レベルは不変であり,頚静脈酸素飽和度も良好に保たれた.乳酸,ビルビン酸はSCPにより増加したが左右差はなかった.眼動脈血流速は一側脳灌流時では送血側に加え非送血側でも良好に測定され,一側脳灌流時の頭蓋内血流動態のモニターとして有用であった.また.本研究により一側脳灌流法の安全性を確かめられた.
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