研究概要 |
平成5年度より7年度までの研究実績の概要を報告いたします。平成5年度には本治療実験モデルを再現性高く確立しました。平成6年度にはAlzetmini浸透圧ポンプ(モデル2001)を使用し,抗癌剤投与群に再現性の高い治療効果による腫瘍壊死像を光顕および免疫組織学的検索にて証明した。平成7年度は最も強い腫瘍壊死所見を呈した ^3H-Fluorouracil投与群において,正常脳組織,腫瘍浸潤部,脳腫瘍因縁部,脳腫瘍中心部にみられたトリチウム顆粒を光顕オートラジオグラフィーにて観察し、各部位ごとの標識率を検討した。その結果正常脳組織へのトリチウムの取り込みは極めて少なかったのに対し脳腫瘍因縁部には有意な取り込みがみられた。しかしながら脳腫瘍中心部のトリチウムの取り込みは少なかった。また本法を施行した脳腫瘍組織にみられたacute toxic inflammationは重要な神経毒性の組織学的な警告因子であり遺伝子療法等の局所化学療法においても,合併症についての示唆に富む所見と思われた。 尚本研究は「ラット実験脳腫瘍における抗癌剤持続局所注入療法の病理組織学的およびオートラジオグラフィー法による研究-急性期実験モデルを中心に-を雑誌「脳神経外科」に投稿中である。
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