研究課題/領域番号 |
05671202
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中村 耕三 (1994-1995) 東京大学, 医学部・附属病院, 助教授 (60126133)
酒井 宏哉 (1993) 東京大学, 医学部(病), 助手 (40205711)
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研究分担者 |
勝本 弘 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (80233766)
福井 尚志 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (10251258)
黒川 高秀 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (90010298)
織田 弘美 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (60101698)
酒井 宏哉 東京大学, 医学部(病), 助手 (40205711)
中村 耕三 東京大学, 医学部(病), 助教授 (60126133)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1994年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1993年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 靭帯 / 治癒 / 細胞外マトリックス / ヒアルロン酸 / 関節内投与 / 前十字靭帯 / 家兎 / 靱帯 / コラーゲン / エラスチン / フィブロネクチン / ラミニン / bFGF / 修復 / 細胞外マトリクス / 力学的特性 / 断面積 / 組織修復 / 膝内側々副靭帯 / 細胞間基質 / ポリカーボネート膜 |
研究概要 |
靭帯損傷はとくにスポーツ活動度の高い若年層を中心に発生頻度が高い外傷である。一般に治療は固定など保存的治療が行われることが多く、この結果関節の拘縮や筋の萎縮と言った問題が生じて機能回復まで長期間を必要とする症例も多い。また一方で、膝関節内に位置する前十字あるいは後十字靭帯は、臨床的には極めて治癒しにくいことが知られており、現時点では損傷靭帯の修復は困難である。したがって損傷靭帯の治癒促進、あるいは修復反応を誘導することは臨床的に極めて意義が高いと考えられる。 一方、近年の研究から細胞外マトリックスは単に生体の構成要素としての意味を持つばかりでなく、細胞表面のリセプターを介して種々の細胞に極めて多彩な生理活性を及ぼすことが明らかとなってきた。本研究の目的は、細胞外マトリックスのこのような特性を発揮させることにより、損傷靭帯の治癒促進を試みることである。 本研究では以下の段階で研究を行なった。 (1)再現性のある靭帯損傷モデルを作成する。 (2)上記のモデルを用いて、種々の細胞外マトリックスが靭帯修復に及ぼす影響を検討する。 (1)については臨床的に修復誘導が困難である前十字靭帯を対象とすることが適当と考え、家兎の膝関節において種々の靭帯修復モデルを作製し検討した。この結果一定の深さで靭帯の一部のみを切離するモデルが、自然経過では修復が起こらず、また良好な再現性があることが確認され、本研究のモデルとして適当と結論した。 (2)については、I、III型コラーゲン及びヒアルロン酸の投与を種々の方法、頻度により投与し、修復過程に及ぼす影響を検討した。この結果、ヒアルロン酸を7日の間隔で反復投与することにより靭帯修復の促進効果が得られることがわかった。 本研究の結果、ヒアルロン酸の反復投与によって靭帯の修復が促進される可能性が示された。ヒアルロン酸は既に変形性関節症などの治療に日常的に用いられている薬剤であり、今回の研究の結果碍られた知見は、臨床的にも適応可能なものである。臨床における有効性の評価は今後の新たな課題であると考えられる。
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