研究課題/領域番号 |
05671207
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 富山医科薬科大学 |
研究代表者 |
辻 陽雄 富山医科薬科大学, 医学部・整形外科学, 教授 (90009449)
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研究分担者 |
石原 裕和 富山医科薬科大学, 附属病院・整形外科, 助手 (30242499)
松野 博明 富山医科薬科大学, 医学部・整形外科学, 助手 (00219461)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1994年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1993年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | モノクローナル抗体 / 椎間板変性 / 免疫機構 / 免疫組織化学 |
研究概要 |
II型コラーゲン(IIC)は、生体内では関節軟骨、椎間板髄核、眼の硝子体、耳介などの硝子軟骨に限局して存在する。IICは従来、いわゆる隔絶抗原として、容易には免疫系には接触できないと考えられており、それ故、免疫寛容は成立していないと考えられていた。 しかし、関節軟骨と同様、何等かの原因で免疫担当細胞と接触するとき、直ちに免疫反応を誘導する可能性が考えられる。実際、腰痛患者の中には年令不相応に多発性椎間板障害を有する患者が多い事実からも椎間板髄核はTIICが抗原性を有している可能性があるとの仮説を立て、本研究を開始した。第一に関節軟骨の実験系からは、TIIC中で抗原性をもつものは、CB-11であることが確認されていることから、本研究ではII型コラーゲンを主たる構成要素とする椎間板髄核の変性に免疫学的背景があるであろうとして、先ず、CB-11特異的モノクローナル抗体(mAb)を独自に精製することに成功した。このCB-1 mAbでの抗原誘導型関節炎マウスであるコラーゲン誘導関節炎(CIA)を治療すると関節炎の発症が認められなかったことから、我々が精製したCB-11mAbは、TIICの抗原エピトープを認識していることが明らかになった。 そこで腰椎椎間板ヘルニア症例(HNP)12例(男8例、女4例)の手術時摘出した髄核標本に、この抗原性惹起エピトープであるCB-11mAbが反応するか否かを、病理組織学的にABC法を用いて検討したが、一例も陽性例は認められなかった。以上よりHNPの発症あるいは椎間板変性の進展機構には免疫学的抗原性をもつTIICの存在は否定的であり、現時点でHNPと免疫応答機構の関係はないと結論された。
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