研究課題/領域番号 |
05671250
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
菅井 直介 東京大学, 医学部(病), 講師 (10010563)
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研究分担者 |
矢島 直 東京大学, 医学部(病), 助手 (20191108)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1993年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 神経筋遮断薬 / モニター / フェード / 拇指内転筋力トランスジューサ / 筋弛緩 / TOF / 3-OHベクロニウム / 筋弛緩薬自動注入システム / 拇指内転筋トランスジューサ / ロクロニウム |
研究概要 |
神経筋遮断薬の作用のモニターは、その合理的な投与と麻酔の安全にとってますます重要になってきた。また、これらの薬物およびその活性代謝物濃度とその作用との関係を知るためにも、各種のパラメータを総合的に評価する必要がある。この研究では、麻酔中の筋弛緩を示す拇指内転筋の力の測定のために、手のみにトランスジューサを着けて、手とトランスジューサを一体化した2種類のトランスジューサを開発し、両タイプとも外乱に影響されにくく実用的であることが解った。テタヌスfadeとTOF fadeはいずれも神経筋遮断薬のシナプス前作用によるといわれているが、両者が同じものであるかどうかは明らかではない。拇指内転筋のタテヌス収縮と、小指球の筋電図のTOFとを比較した。この結果からテタヌスの回復時にはシナプス前の促進現象が見られ、これはTOF fadeとは質的に異なることが解った。神経筋遮断薬の作用のモニターによく用いられる拇指内転筋の単収縮と、これがアプローチできないときによく使われる足底筋のEMGとを比較した。ベクロニウム持続注入後拮抗を行なった時に、拇指内転筋の単収縮に較べて足のEMGのT1の立ち上がりは遅いが、T1は最終的には拇指内転筋の単収縮を越えて回復する場合の多いことが解った。このT1のよい回復が必ずしも神経筋遮断の実態を現わしていないことはこの時点における拇指内転筋の単収縮の回復の低さと、足の筋肉のTOF ratioの低さで示された。19歳の患者において、ベクロニウム投与後、拇指内転筋のEMGによるTOFを記録し、筋弛緩作用の遅延が認められた。さらにベクロニウムと3-OHベクロニウムの血中濃度を測定し、TOFとこれらの血中濃度との関係を解析した。この患者では3-OHベクロニウムのベクロニウムからの生成の方が排泄よりも大であることを示した。閉ループ制御を応用した筋弛緩薬自動注入システムを開発し、臨床で日常的に使用できることが確かめられた。
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