研究課題/領域番号 |
05671271
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 佐賀医科大学 |
研究代表者 |
原野 清 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (30038848)
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研究分担者 |
高崎 光浩 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (70236206)
十時 忠秀 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (20038722)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1994年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1993年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | Adenosine Triphosphate / Adenosine analog / R-phenylisopropyl-adenosine / くも膜下注入 / 硬膜外注入 / pain / アデノシン / 脊椎麻酔 / 硬膜外麻酔 / アデノシンアナログ / 脊髄麻酔 |
研究概要 |
揮発性麻酔薬による浅麻酔犬の腰部くも膜下腔にAdenosine triphosphate(ATP)40mg/2mlを注入すると、数分以内に疼痛刺激に対する心拍数(HR)の増加や血圧(BP)の上昇が認められなくなる。この状態でMethylxantine(Aminophilline)50ng/2mlをくも膜下腔に注入すると疼痛刺激に対するHR、BPの変化はATP投与前の状態に復した。Alアデノシン受容体に選択的に作用するアデノシンアナログの一つであるR-phenylisopropyl-adenosine(R-PIA)1μM/2mlの注入でも同様の結果が得られたが、ATPの作用時間が25〜40分であるのに対し、40〜90分間と長い作用時間を示した。 覚醒犬によるATP40mg腰部くも膜下腔注入では、注入中より後肢の麻痺の出現を認め、回復までに3時間以上を要した。また疼痛刺激に対する反応も注入後数分以内に消失し、その範囲は躯幹のみならず頭皮にも認められ、その効果は90分以上に及んだ。 硬膜外腔への注入ではATP60mg/3ml及びR-PIT1.5μM/3mlとくも膜下腔注入量の1.5倍量を使用したが、いずれもくも膜下腔投与に比し、鎮痛程度も劣り、効果持続時間も短かった。 アデノシンは元来、生体内の細胞レベルに存在する内因性のヌクレオシドであり、中枢神経伝達物質の一つでもある。このようなアデノシン製剤による鎮痛が可能となれば、他の鎮痛薬による鎮痛法と比較しても生体にとって優しい鎮痛法となると思われる。 以上の実験結果よりアデノシン製剤は種々の疼痛に対して脊髄性の鎮痛に臨床的にも使用可能であることが推測される。
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