1.反射性膀胱収縮運動に対する腰部硬膜外腔への神経破壊薬注入の効果 椎弓切除後、直視下にラット腰部硬膜外腔へカテーテルを留置した。膀胱に挿入したカテーテルから生食水を注入し反射性膀胱収縮運動を記録した。硬膜外カテーテルから、生食、局所麻酔薬(1%カルボカイン)、神経破壊薬(6%フエノールイソビスト、無水アルコール)をそれぞれ注入して膀胱収縮運動を検討した。局麻酔注入群と神経破壊薬注入群で膀胱収縮運動は消失した。 2.下肢の運動に対する腰部硬膜外腔への神経破壊薬注入の効果 神経破壊薬注入の際、ラット下肢の屈伸運動が認められたので、運動神経への影響を検討する目的で、動物をウサギに変更し検討した。経皮的に腰部硬膜外腔へカテーテルを留置し神経破壊薬(6%フエノールイソビスト、無水アルコール)をそれぞれ注入した。運動の観察はビデオテープに記録した。注入直後から下肢の運動麻痺が認められ、注入後4週目まで観察したが、運動麻痺の回復は認められなかった。 現在、下肢運動麻痺における神経系の組織標本を作成中である。なお、本研究結果の一部は、第28回日本ペインクリニック学会総会(平成6年、7月14-16日)において発表する予定である。
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