研究課題/領域番号 |
05671304
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
木原 和徳 東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (40161541)
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研究分担者 |
北原 聡史 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (10186257)
大島 博幸 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (60013934)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1993年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 腎尿路癌細胞 / 細胞間コミュニケーション / 染色体移入 |
研究概要 |
本研究はヒトの腎、胃、膀胱癌細胞にヒト正常染色体を移入し、正常細胞の形質を発現させ、癌細胞の正常化過程における細胞間コミュニケーション(IC)の変動を測定し、その多種臓器における普遍性を検討することを第1の目的とし、また正常化とは別にICに影響を与える染色体の有無を検討することを第2の目的とした。〈対象・方法〉ヒト腎癌(RCC23)、ヒト胃癌(MKN28)、ヒト膀胱癌(JTC-32)の各細胞を対象とし、微小核融合法を用いて正常染色体を移入した(鳥取大学細胞工学教室)。ICの測定には螢光色素マイクロインジェクション法(MI法)、及びレーザーサイトメーター(ACAS法)を用いた。〈結果・考察〉(1)RCC23には3、7、11番染色体を移入し、その内3番染色体を移入した2クローンに正常化の1指標であるcontact inhibitionが認められた。(2)MKN28には1、5、7、11番染色体を移入し、その内5番染色体を移入した2クローンにcontact inhibitionが認められた。(3)JTC-32には9、11番染色体を移入し、ヌードマウスへの造腫瘍性を消失したクローンが得られた。(4)RCC23の親癌細胞のICはMI法でもACAS法でも殆んど無く、contact inhibitionを示した2クローンにも又、それを示さなかったクローンにもICは殆んどなかった。(5)MKN28の親癌細胞のICはMI法でもACAS法でも殆んど無く、contact inhibitionを示した2クローンにも又、示さなかったクローンにもICは殆んどなかった。(6)JTC-32は良好なICを持ち、9、11番染色体を移入した細胞は著明な形態変化と増殖能の低下を示し、親癌細胞とのICは欠如していた。以上のように腎、胃癌細胞ではcontact inhibitionを持つようになった細胞でも親癌細胞と異なるICを持つに至らないという結果であり、今回の検討では、膀胱癌細胞で認められた正常化に伴うICの変動は他の臓器では再現し得なかった。又、正常化とは別にICに影響を与える染色体は検出されなかった。
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