研究課題/領域番号 |
05671324
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
金武 洋 長崎大学, 医学部, 助教授 (50100839)
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研究分担者 |
神田 滋 長崎大学, 医学部, 助手 (20244048)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 腎細胞癌 / 塩基性線維芽細胞成長因子 / 代償性腎成長 |
研究概要 |
腎細胞癌はX線画像上多くがhypervascularな形態を示す。我々は腎細胞癌における血管新生及び腫瘍の増殖に塩基性線維芽細胞成長因子(b-FGF)の関与があるかどうか検討した。腎癌細胞のCell line(ACHN,VMRC-RCW,NT)を使った実験では、b-FGFが有意にDNA合成を促進することが判明すた。さらに実際に腎細胞癌患者より摘出した腎臓の正常部及び癌部のそれぞれについて遺伝子レベルで検討した。その結果67%に癌部が正常部と比し2〜4倍のb-FGFの発現をみとめた。また免疫組織染色上、核ならびに細胞辺縁部に染色陽性をみとめた。一方腎癌細胞におけるb-FGFの働きを解析するうえで正常腎あるいは、腎の非腫瘍性の増殖性変化である腎再生現象におけるb-FGFの役割を検討することは重要である。ddyマウスを用いた一側腎摘後の代償性腎成長においてperitubular endothelial cellの増殖は、腎摘後6時間から48時間をピークにおこってくるが、この増殖は、抗b-FGF抗体の経静脈的投与によりブロックされた。このことからb-FGFは代償性腎成長でみられるperitubular endothelial cellの増殖を制御する重要な増殖因子であると考えられる。さらにHgCl_2投与によるラット急性腎不全モデルにおいて、障害後48時間から72時間を中心にみられる腎間質細胞の増殖経過に対し、障害腎組織中でのb-FGF mRNAは24時間から48時間後にその発現が増加していることから、急性腎不全においてもb-FGFが主として腎間質細胞の増殖に作用することが推測される。以上よりb-FGFは腎細胞癌や腎再生現象においてその細胞増殖制御を担う増殖因子の1つであるといえる。
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