研究課題/領域番号 |
05671371
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
工藤 尚文 岡山大学, 医学部, 教授 (90127556)
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研究分担者 |
多田 克彦 岡山大学, 医学部附属病院, 助手 (90252973)
岸本 廉夫 岡山大学, 医学部附属病院, 講師 (30186217)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1994年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1993年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 胎児肺機能 / カテコラミン / ドパミン / dopa decarboxylase / 子宮内発育遅延胎児 / 胎児慢性低酸症 / 胎児ストレス / 胎仔肺機能 / 胎児慢性低酸素症 / ドパミン受容体 |
研究概要 |
Wistar系ラット胎仔を使用し以下の知見を得た。 1.肺カテコラミン系物質(ドーパ、ドパミン、ノルエピネフリン、エピネフリンおよびドパミンの代謝産物であるDOPAC)濃度を胎児仔血、脳、副腎、羊水中濃度とともに測定し、胎仔肺には上記のカテコラミン系物質がすべて存在するが、各分画の組成比は胎仔血、羊水や他臓器のそれとは異なっていることを認めた。 2.胎盤通過性の良好なドーパを経母体的に胎仔に投与し、胎仔肺カテコラミンの動態を検討した結果、ドーパ負荷後は胎仔肺カテコラミン3分画(ドパミン、ノルエピネフリン、エピネフリン)は有意に増加した。 1〜2より、胎仔肺にはドパミンを中心とした各種カテコラミン系物質が存在するが、それらは胎仔肺で合成されたもの、すなわち胎仔肺はカテコラミン合成能を有していることを明らかにした。 3.ドパミン合成酵素であるdopa decarboxylase(DDC)の胎仔肺における局在を免疫組織染色法により検討した結果、細気管支上皮の一部にDDC陽性細胞を認めた。 4.胎齢17日目に母体子宮動脈を結紮し、胎仔に慢性低酸素状態を負荷することにより作成した子宮内発育遅延胎仔(胎齢20日)の肺カテコラミン含量を検討した結果、子宮内発育遅延胎仔の肺カテコラミンは3分画(ドパミン、ノルエピネフリン、エピネフリン)とも正常発育胎仔に比較し有意な高値であった。 3〜4より、胎仔肺におけるドパミン合成部位は細気管支上皮であることを証明した。また、胎仔慢性低酸素症では胎仔肺カテコラミンは増加することが明らかとなったが、この事実より、胎児肺カテコラミンは胎児肺において何らかの合目的的生理作用を有し、胎児肺機能(成熟)に関与していると考えられた。
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