研究課題/領域番号 |
05671395
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
佐藤 郁夫 自治医科大学, 医学部, 教授 (60049004)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1993年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 分娩 / 胎児酸素飽和度 / pulse oximeter / 胎児低酸素 / パルスオキシメーター / 胎児酸素飽和度(SpO_2) / 臍帯動脈血 SaO_2 / 胎児低酸素症 |
研究概要 |
この研究は、分娩中の胎児酸素飽和度(fetal SpO_2)を非観血的な方法で安定して測定できるProbeの開発と、分娩中のfetal SpO_2の変化を記録することにある。次にfetal hypoxiaが示唆される際のfetal SpO_2値と胎児心拍数図との関係を検討し、更にfetal SpO_2が低値を示す産婦に酸素をカヌラで持続的に投与し、fetal SpO_2値の上昇を認めるか否かの実験を行った。 症例と方法:子宮口5cm以上開大している既破水の産婦にpulse oximeterのProbeを児頭に装着しfetal SpO_2値の変化を測定した。更に分娩中のfetal SpO_2が低値を示す産婦に5l/分の酸素を投与して、その変化をみた。 成績:1)反射型SpO_2測定用Probeの発光と受光素子の距離は10mmで最も安定した波形が検出された。2)児娩出直前のfetal SpO_2と児娩出直後のfetal SpO_2との間には正の相関(y=0.974x-7.279)を得た。3)分娩中のfetal SpO_2は子宮口7cm未満で56±13%、子宮口8〜9cm60±11%、子宮口全開大56±11%、分娩直前48±13%であった。この結果から分娩第2期までfetal SpO_2は56%〜60%を維持していること。しかし児娩出直前には50%以下に低下することが明らかになった。4)分娩中の胎児心拍数図とfetal SpO_2との関係をみるとearly decelerationの出現時にはfetal SpO_2には著変は認められなかった。他方late decelerationとvariable deceleration出現時にはfetal SpO_2の低下を認めた。5)胎児心拍数図上fetal hypoxiaが示唆される産婦に酸素を投与したところ、fetal SpO_2が50%以下の5例中4例で有効と判定できる上昇を認めた。他方fetal SpO_2が55%以上の9例中7例で変化を認めなかった。結論:臨床応用実現のためには反射型Probeの児頭への安定固定法に更なる改善が必要である。これが充たされれば分娩中の胎児健康診断法として有力な武器となる。
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