研究課題/領域番号 |
05671400
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
荻野 雅弘 帝京大学, 医学部, 助教授 (80107680)
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研究分担者 |
鹿島 敦子 帝京大学, 医学部, 助手 (00246050)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1994年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1993年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 子宮内膜癌 / c-erbB-2 / エストロゲン / 培養細胞 / Ishikawa株 / OMC-2株 / 子宮体癌 |
研究概要 |
子宮体癌は性ステロイドホルモン依存性の腫瘍で、エストロゲン(E)によって増殖が促進されることが知られている。この性ステロイドホルモン依存性を分子レベルで解明するために、子宮体癌細胞株にEを投与し、細胞増殖とc-erbB-2の変化を検討した。培養細胞として高分化型内膜腺癌由来のIshikawa株(エストロゲンレセプター(ER)・プロゲステロンレセプター(PR)共に陽性)及び中等度分化型内膜腺癌由来のOMC-2株(ER・PR共に陰性)を用い、これらの増殖とc-erbB-2のDNA増幅・mRNA発現に対するエストラジオール(E_2)の影響を検討した。生体内現象を想定し、添加実験は生理的濃度(10^<-8>M)にて行った。Ishikawa株ではE_2によって細胞増殖が促進されたが、有為な差が認められるようになるのは7日以降の遅い時期であった。一方OMC-2株では21日間を通してコントロール群と有意な差は認められなかった。c-erbB-2 mRNA発現については、Ishikawa株では、コントロール群は14日目以降発現が減少したが、E_2投与によって一定レベルのc-erbB-2発現が保たれた。一方OMC-2では、E_2を投与してもコントロール群と同様に発現は減少した。すなわちIshikawa株においてはE_2は細胞増殖・mRNAの発現を促進したが、OMC-2株ではE_2は細胞増殖にもmRNA発現にもほとんど影響しなかった。なおDNA増幅・再構成等の変化はIshikawa株でもOMC-2でも検出されなかった。 以上の結果より、子宮体癌細胞株ではE_2によるc-erbB-2のmRNA発現並びに細胞増殖の制御に関与しており、その制御にはERが関与している可能性が推察された。またE_2による制御は比較的遅い時期に行われるものと推察された。
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