研究課題/領域番号 |
05671403
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
中林 正雄 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (70114585)
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研究分担者 |
佐倉 まり 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (20256613)
安藤 一人 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (40212667)
高木 耕一郎 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (90154749)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1993年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 妊娠中毒症 / fetal fibronectin / tPA / PAI-1 / 絨毛細胞 / IL6 / IL8 / IL-8 |
研究概要 |
妊娠中毒症(中毒症)および一部の子宮内胎児発育障害(IUGR)では胎盤形成期の絨毛の脱落膜への侵入異常が示唆されている。一方、胎盤の形成過程には胎盤局所の凝固線溶系酵素、細胞外マトリックス(ECM)および免疫系の関与が想定されている。 本研究では胎盤形成過程における凝固線溶系の調節機序として免疫系との関連の検討を目的として 1)胎盤の基礎形成期である妊娠中期羊水中の凝固線溶系マーカー、ECMの一種であるfetal fibronectin(FFN)、および各種cytokineと妊娠中毒症との関連、 2)胎盤細胞培養系においてcytokine添加による培養上清中の線溶系酵素とFFNの変動の観察をおこなった。その結果以下の成績を得た。 1)妊娠中期の羊水で将来重症妊娠中毒症を発症した中毒症準備群において正常予後となった群に比べて有意(P<a05)にtissue plasminogen activatorとplasmonogen activator inhibitor type1との複合体であるPAI-Cが低値であり、FFNは高値であった。また、数種測定したcytokineのうち、IL6とIL8は中毒症準備群で正常予後群に比べ妊娠中期羊水中に有意に高値であり、この2者は正常群、中毒症準備群ともによく相関した。さらに、同検体の羊水中のIL8とFFNは良好な相関を示した。 2)絨毛細胞の培養系でIL8添加により濃度依存性にFFN産生の亢進を認めた。IL6,IL8はともに脱落膜培養上清中で絨毛培養上清中に比べて著しく高値であった。 以上の成績より妊娠中毒症発症には胎盤形成過程において胎盤局所の線溶系酵素とその阻害物質、ECMが関与し、母体由来のcytokine,即ち母体の免疫系による調節が示唆された。
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