研究課題/領域番号 |
05671407
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
朝倉 啓文 日本医科大学, 医学部, 助教授 (30167879)
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研究分担者 |
中井 章人 日本医科大学, 医学部, 医員助手 (20227721)
越野 立夫 日本医科大学, 医学部, 教授 (80089747)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
900千円 (直接経費: 900千円)
1993年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 妊婦運動 / 胎児血流動態 / 超音波血流速度計測 |
研究概要 |
妊娠36週以降のボランティア妊婦に、自転車ergometerによる運動を行い、胎児の循環動態の変化を検討した。測定項目は胎児心拍数、および、超音波パルスドプラによる胎児中大脳動脈(MCA)、臍帯動脈(UA)、下大静脈(IVC)の血流速度波形、および、胎児心拍出量(CO)であり、妊婦では脈拍数、血圧および腹部の深部体温の測定である。運動は妊婦脈拍数を130bpmにまで増加させる運動強度で行った。測定は運動前、および運動後に行った。本年度得た結果を以下に記す。(1)妊婦の脈拍数は増加より、60%最大心拍数の運動を行った。腹部深部体温は運動により34.9℃より35.1℃まで上昇することを認めた。(2)胎児心拍数は妊婦運動により、頻脈となり、平均134.2bpmより155.7bpmにまでなった。(3)これに伴い胎児左COは平均で33.5%増加した。(4)運動により胎児左COが増加するに伴い胎児MCAのresistance index(RI)は低下し、胎児外腸骨動脈のRIは増加する傾向が見いだされた。(5)臍帯動脈RIと左COとは関係が見られなかった。これらのことから以下の推論が得られた。すなわち、妊婦運動により胎児の心拍数は頻脈となり、心拍出量は増加する。これに伴い、胎児の体内には血流の再分配が生じ、下肢への血流が増加し、脳への血流は保たれることが示唆された。この変化は、ホメオスタシスを保つための胎児血流動態面での適応であり、妊婦運動中の胎児の安全性を保つのに役立つものと考えられた。そのため、今後は、運動時の胎児血流動態上の適応が、妊婦初期、中期でも認められるかどうかを検討する必要があると考えられる。また、今回の検討では明確にはならなかったが、これらの胎児適応と妊婦体温との関係も今後検討を続ける予定である。
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