研究課題/領域番号 |
05671416
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
伊藤 永子 (1995) 秋田大学, 医学部, 助手 (90006734)
更級 則夫 (1993-1994) 秋田大学, 医学部, 助手 (70235448)
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研究分担者 |
更級 則夫 秋田大学, 医学部, 助手 (70235448)
岡本 美孝 秋田大学, 医学部, 講師 (40169157)
伊藤 永子 秋田大学, 医学部, 助手 (90006734)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1994年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1993年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 滲出性中耳炎 / サイトカイン / 細胞接着分子 / RSウイルス / 腸管免疫 / PCR法 |
研究概要 |
滲出性中耳炎の病態へのウイルスの関与について、中耳炎患児の上咽頭より高率に検出され、従来より強い関連が示唆されている.respiratory syncytial virus(以下RSウイルス)を中心に検討を行なった。 1.Polymerase chain reaction法により、小児滲出性中耳炎貯留液中にRSウイルスゲノムが確認され、特に上咽頭よりRSウイルスが検出された貯留液では高率に認められた。 2.RSウイルスゲノムを含む中耳貯留液中には、IL-1β、IL-6、TNF-αが常に検出された。 3.ヒト中耳粘膜を用いての器官培養において、RSウイルス接種後、IL-1β、IL-6、TNF-α遺伝子と共に、ICAM-1、VCAM-1、ELAM-1の細胞接着分子の発現亢進も認められた。 4.アデノイド器官培養にRSウイルスを接種したところ、上皮の線毛運動の低下が認められたが、抗TNFα抗体の投与により、この低下は部分的に改善された。高濃度のリコンビナントTNF-αにて一過性の線毛運動の低下がみられ、RSウイルスによる線毛運動障害にサイトカインの関与も示唆された。 5.RSウイルスの滲出性中耳炎の病態関与の機序として、細菌感染の惹起や、貯留液中の抗体とのimmune complex形成によるIII型アレルギーの可能性以外に、直接に中耳粘膜において、IL-1β、IL-6、TNF-α等の炎症性サイトカインを誘導することが考えられる。 6.これらRSウイルスにより誘導されたサイトカインは、炎症形成に直接作用すると同時に、血管内皮細胞活性化に作用し、細胞接着分子発現も誘導し、炎症細胞の浸潤、遊走に働くと考えられる。 7.腸管免疫による予防の試みは、必ずしもウイルス炎症反応を十分にコントロールすることは出来なかった。ウイルス増殖の局所へのウイルス抗原の投与も含めた、別のアプローチの必要性が示唆された。
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