研究課題/領域番号 |
05671431
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
湯本 英二 愛媛大学, 医学部・付属病院, 講師 (40116992)
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研究分担者 |
兵頭 政光 愛媛大学, 医学部・付属病院, 助手 (00181123)
森 敏裕 愛媛大学, 医学部, 助手 (50200374)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1994年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1993年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 声帯振動 / 発声 / 粘膜波状運動 / 声帯下面 / ヒダ状粘膜隆起 / 粘膜移動性 / 声帯緊張 / 甲状披裂筋 |
研究概要 |
イヌ摘出喉頭を用いて、無処理時、声帯伸展時、甲状披裂筋(以下、内筋と略)収縮時の声帯粘膜移動性(以下、移動性と略)の測定と気管側からの声帯振動の観察を行った。いずれの場合も移動性は声帯遊離縁において最も大きく、下方に向かって小さくなり、いったん極小となった。これより下方ではわずかに大きくなった後、再び小さくなった。無処置時に移動性が極小となるのは遊離縁から下方約3mmであった。声帯伸展時と内筋収縮時には無処置時よりも移動性が小さくなった。移動性が極小となる部位は、無処置時に比して声帯伸展時には上方(口腔側)へ、内筋収縮時には下方(気管側)へ移動した。 声帯振動時に声帯下面に生じる声帯粘膜の隆起(以下、ヒダ状隆起と略)と移動性の関係を検討した。無処置時に移動性が極小となる部位は、自然吹鳴時のヒダ状隆起の形成部位とほぼ一致した。声帯伸展時にはヒダ状隆起は自然吹鳴時よりも上方に生じた。声帯伸展時にヒダ状隆起の生じた部位は移動性が極小となった部位よりもわずかに下方であった。一方、移動性が極小となる部位とヒダ状隆起の形成部位は、無処置時および内筋収縮時ともほぼ一致した。これらの部位は内筋収縮時には無処置時および内筋収縮時ともほぼ一致した。これらの部位は内筋収縮時には無処置時に比べて下方へと移動した。組織学的に、粘膜固有層は声帯遊離縁で最も厚く、下方に向かって次第に薄くなり、遊離縁下方3〜4mmで最も薄く上皮下に筋層が近接した。この固有層の最も薄い部位は無処置時に移動性が極小となり振動時にヒダ状隆起の生じた部位とほぼ一致した。 声帯粘膜波状運動の起始部として重要なヒダ状隆起のおもな成因として、声帯粘膜の移動性が考えられた。また、移動性に影響を与える因子として粘膜上皮と粘膜下組織(筋層)の結合の程度が挙げられる。イヌ声帯においては粘膜固有層とりわけ深層の存在が粘膜移動性に大きく影響すると考えられた。
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