研究課題/領域番号 |
05671458
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
清澤 源弘 東京医科歯科大学, 医学部・眼科学教室, 助教授 (20169957)
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研究分担者 |
川崎 勉 東京医科歯科大学, 医学部・眼科学教室, 助手 (30204712)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
900千円 (直接経費: 900千円)
1993年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | Glutamate / NMDA / AMPA / Kainate / Amblyopia / Enucleation / Receptor |
研究概要 |
視覚伝達の主な神経伝達物質は非NMDA型グルタミン酸受容体であると考えられており、この発達にはNMDA型グルタミン酸受容体の経験依存性の消退が関与していると考えられる。今回、弱視発生におけるグルタミン酸受容体の働きを検討するため、片眼摘出による視覚入力遮断が各種グルタミン酸受容体密度に及ぼす影響を新生児ラットを用いたオートラジオグラム法にて検討した。 24匹の新生児ウイスターラットを2群に分け、眼摘群には生後10日目に右眼摘出を行ない、残りは対照群とした。生後20日目及び30日目に両群の各半数の脳を摘出し、眼摘20日群、眼摘30日群、対照20日群、対照30日群の4群に分けた。グルタミン酸受容体としてNMDA型、AMPA型、カイニン酸型の3種類の、また節前性受容体のアデノシンA1の各密度をオートラジオグラム法にて測定し、各群の同一脳内構造の左右差及び各群間の差について統計的検討を加えた。 網膜からの投射が最も豊富である上丘では眼摘30日群で摘出した右眼からの投射を主に受ける左上丘でアデノシンA1密度は右上丘より52%の低下が認められ(p<0.01)、脱神経による節前性神経受容体の減少が確認された。NMDA型受容体密度は対照30日群は対照20日群より45%増加しており、この間出生直後のNMDA型受容体の増加が続いていた。眼摘群では眼摘30日群で脱神経された左上丘は右上丘より8%高かった(p<0.01)。カイニン酸型受容体は眼摘30日群で脱神経された左上丘は右上丘より5%低値を示した(p<0.05)。AMPA型受容体は眼摘30日群で左上丘は右上丘より9%高値であった(p<0.05)。他の視覚系の構造でも同様の傾向が認められ、視覚系以外の構造ではこの傾向は見られなかった。 眼摘による左上丘の脱神経性の節前性神経受容体の減少が確認された。経験依存性に減少すると考えられているNMDA型受容体密度は視覚入力の多い右上丘でより低かった。カイニン酸型受容体とAMPA型受容体密度の変化に対する説明は不詳である。
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