研究課題/領域番号 |
05671469
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 宮崎医科大学 |
研究代表者 |
直井 信久 宮崎医科大学, 医学部, 助教授 (50211412)
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研究分担者 |
中馬 秀樹 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (20244204)
柊山 剰 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (20199178)
松浦 義史 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (50173795)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ERG / EOG / 網膜色素上皮 / 明上昇 / 重炭酸イオン |
研究概要 |
本年度の研究は主にin vitroニワトリ網膜-色素上皮-脈絡膜標本を用いて行なわれた実験である。 本年度は今までに研究してきた重炭酸イオンの網膜-色素上皮に対する作用を微小電極による網膜色素上皮細胞内電位記録を用いて解明した。網膜側重炭酸イオン濃度を25mEq/1から40mEq/1に増加させると定在電位は0.553mV減少した。これは色素上皮内細胞内電位記録から初期の基底膜の過分極とそれに続く先端膜の脱分極からなることが判明した。またこれにともない、ERG c 波も減少したが、TEP c 波、Slcw PIIIはいずれも増大した。また脈絡膜側の重炭酸イオンを増加させると定在電位は0.76mV増大した。網膜色素上内微小電極からの記録でこの現象は基底膜の脱分極によって起こっていることが判明した。またこの際ERG c 波、TEP c 波、Slow PIII はいずれもが増大を示した。これらの結果から人間でメイロン応答として用いられている重炭酸ナトリウム液の静脈内投与による定在電位の低下は重炭酸イオンの網膜側の作用であり、初期の基底膜の過分極とそれに続く先端膜の脱分極からなることが示唆された。 さらに本年度は人間でも観察されるfast oscillationの起源が基底膜の遅延性過分極であるとするネコの実験結果がいままで示されていたが、われわれは今回ニワトリ網膜ではこの基底膜の遅延性過分極が全く見られないことを示した。この結果はfast oscillationの起源に種差があることをしめすものでこれまでの定説を覆す新知見である。
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